米国防総省(ペンタゴン)は2026年度予算案において、シリア民主軍およびシリア自由軍などのいわゆる「協力部隊」を支援するため、対テロ・パートナーシップ基金(CTEF)から1億3000万ドルを割り当てるも、シリア軍は対象から除外される(2025年7月5日)

プロファイル・ニュースによると、米国防総省(ペンタゴン)は、2026年度予算案において、シリア民主軍およびシリア自由軍などのいわゆる「協力部隊」を支援するため、対テロ・パートナーシップ基金(CTEF)から1億3000万ドルを割り当てた。

この支援対象には、アフマド・シャルア移行期政権の国防省は含まれない。

公式の予算文書によると、CTEFからの対シリア支出は、過去3年間で徐々に減少しており、2024年の1億5600万ドルから、2025年には1億4790万ドル、そして2026年度案では1億3000万ドルにまで縮小されている。

しかし、「協力部隊」への給与や報奨金の予算枠は依然として最大の項目となっており、2024年には7180万ドル、2025年には5890万ドルに減少したが、2026年度案では6500万ドルに再び増額されている。

一方、訓練および装備項目の予算は大幅に削減されており、2024年の3500万ドルから、2025年には1560万ドルへと半減、2026年度も同水準に据え置かれている。

また、イナブ・バラディーによると、支援内容は以下の通り:

訓練・装備:1560万ドル
●小火器(AK-47、PKM、DShK)
●弾薬
●輸送車両・戦術車両
●医療機器、通信・航法装置
●軍服・個人装備

兵站支援:3240万ドル
●現地調達の食糧
●医療支援(550万ドル)
●生体認証・通信関連の契約
●空陸輸送
●基礎生活支援(トイレ、発電機、燃料)

給与支援:6500万ドル
●約1万9000人の「支援部隊」将兵の給与
●警備、IED対策、地雷除去等
●経験や技能に応じた柔軟な支給

インフラ修繕:155万ドル
●ダーイシュ戦闘員収容施設の整備
●人道・治安状況の改善
●自然災害・脱走未遂への対処

維持管理支援:1540万ドル
●シリア民主軍への食料品、医療用品、装備維持
●内務治安部隊
●各県の自衛部隊(PrISF)
●シリア自由軍

なお、米国防総省資料によれば、CTEF基金は現地の支援部隊に必要な装備・物資を提供し、治安向上とダーイシュのネットワーク遮断を支援するものだという。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、コンクリート・ブロック、燃料、ブルドーザーなどを積んだ貨物車輛20台からなる米軍(有志連合)の車列が、イラク・クルディスタン地域からシリア領内に入り、カスラク村にある基地に物資を輸送した。

シリア人権監視団によると、有志連合またハッラーブ・ジール村の基地にも約70台からなる車列で物資と人員を輸送した。

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ダマスカス県アッバースィーン広場でシリアの新しいビジュアル・アイデンティティの発表を記念した大規模祝賀イベント開催(2025年7月5日)

ダマスカス県では、SANAによると、アッバースィーン広場でシリアの新しいビジュアル・アイデンティティの発表を記念した大規模祝賀イベントが開催され、数千人が参加した。

イベントでは、500機のドローンを使った空中ビジュアルショーが行われた。


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アラウィー派が多く住むシリア沿岸部で国防省や内務省の要員によるとされる誘拐・拉致、殺害、不当逮捕に抗議するためデモが呼びかけられるも、内務省総合治安局がこれを阻止(2025年7月5日)

シリア人権監視団によると、アラウィー派が多く住むシリア沿岸部(ラタキア県、タルトゥース県)各所で、アフマド・シャルア移行期政権の国防省や内務省の要員によるとされる女性らの誘拐・拉致、殺害、不当逮捕に抗議するため、住民らに向けて午後1時にデモを実施するようSNSなどを通じて呼びかけが行われた。

シリア人権監視団によると、これに対して、内務省総合治安局の部隊がタルトゥース県タルトゥース市内のサアディー広場、県庁舎前、時計台広場など主要箇所に展開し、厳戒態勢が敷かれた。

また、シリア人権監視団によると、ラタキア県ジャブラ市郊外では、内務省総合治安局が住民らによる抗議デモを阻止した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、教育養育省が夏季期間中の給与を月150ドルから90ドルに減額するする決定を発出したことを受け、教員らがイドリブ市の教育養育局前で抗議集会を行い、待遇改善と夏季給与の減額撤回を訴えた。

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ハマー県でアラウィー派の殺害が続く(2025年7月5日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャトハ町近郊の街道で、羊飼いの家族が武装グループの襲撃を受け、若い男性1人と少女1人が銃撃により殺害された。

また、シリア人権監視団によると、マアリーン村では、アラウィー派の男性が農地近くで武装グループに銃撃され死亡した。

さらに、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市東のラヒーヤ村の住民と遊牧民の武装グループ、内務省総合治安局と関係があると見られる部隊部隊がシュハイブ村を襲撃、アラウィー派の若い男性が殺害された。

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SANAによると、内務省は、ラタキア県で、県の内務治安司令部とテロ撲滅課の連携により、2人の戦争犯罪人、アンワル・リーハーン容疑者とその父アーディル・アフマド・リーハーン容疑者を逮捕したと発表した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のムハージリーン地区でのビジュアル・アイデンティティ発表の祝典の祝砲の流れ弾で12歳の少女が負傷した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ムトゥーナ村で数日前に行方不明となっていた大学生が遺体で発見された。

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また、シリア人権監視団によると、同じくヒムス市のムハージリーン地区では、内務省総合治安局に所属する武装グループがアラウィー派の男性を襲撃し、殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナーフタ町で催されていた結婚式の祝砲の流れ弾で、若い男性1人が死亡した。

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アレッポ県では、ANHAによると、トルコの支援を受ける武装グループ(シリア国民軍)が、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域内のラージュー町近郊でクルド人高齢男性を襲撃し、暴行を加え、金品を略奪した。バドリー・アリー氏を残虐に暴行し、彼の所有物、特に運転していた車を奪った。

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前政権時代の児童らの失踪に関与したとして社会問題労働大臣を務めていたリーマー・カーディリー氏とキンダ・シャンマート氏の2名が拘束される(2025年7月5日)

SANAによると、逮捕児童と強制児童の消息を調査する専門委員会のサーミル・クルビー報道官は、「命の旋律」の家の代表を務めていたナダー・ガブラ氏とラマー・サウワーフ氏、、マバッラ(孤児院)協会代表のラナー・バーバー氏、そしてフィダー・ファンディー氏について、児童らの失踪に関与しているとして司法当局が拘束したことを明らかにしたうえで、これがダマスカス検事総長の指示に基づいたもので、家族からの個別の訴えを受けて行われたものであると説明した。

また、シリア・テレビによると、これに関連して、司法当局は前政権時代に社会問題労働大臣を務めていたリーマー・カーディリー氏とキンダ・シャンマート氏の2名を拘束した。

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英国のラミー外務大臣がシリアを訪れ、両国間の外交関係を正式に再開し、9450万ポンドの追加人道支援、200万ポンドの化学兵器廃絶に向けた資金拠出を行うと発表(2025年7月5日)

SANAによると、英国のデビッド・ラミー外務大臣がシリアを訪れ、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談、両国間の二国間関係と、共通関心分野における対話と協力の強化の方途について協議した。

SANAによると、ラミー外務大臣はまた、アフマド・シャルア暫定大統領と会談し、両国間の二国間関係や協力強化の方途について協議されたほか、地域情勢や国際情勢についても意見交換が行われた。


これを受けて、英国政府は声明を出し、ラミー外務大臣がシリアを訪問し、両国間の外交関係を正式に再開したと発表した。

また、英国が9450万ポンドの追加人道支援、200万ポンドの化学兵器廃絶に向けた資金拠出を行うことも合わせて発表した。

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ラタキア県北部の山岳地帯で3日に発生した森林火災の消火作業にトルコが参加し、ヘリコプターを派遣(2025年7月5日)

SANAによると、ラタキア県北部の山岳地帯で3日に発生した森林火災の消火作業が民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)と消防隊によって続けられた。

民間防衛隊によると、火災による煙がラタキア県北部の地中海沿岸やハマー県ガーブ平原北部に広がっており、風の影響で今後さらに他地域へ広がる可能性があるという。

SANAによると、カスタル・マアーフ区では、では、火災により広大な森林地帯が焼失し、植生に甚大な被害が出ている。

SANAによると、この火災で、バスィート変電所が一時的に稼働停止となり、同変電所から電力供給を受けていた地域で停電が発生した。

SANAによると、事態に対処するため、ラーイド・サーリフ非常事態災害大臣は、トルコのハタイ県ヤイラダーウ市を訪れ、森林火災の消火活動においてトルコと協力することで合意に達したと発表した。

これを受けて、SANAによると、トルコのヘリコプターが、ラタキア県で発生した火災の消火活動に参加した。

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