国連安保理はアサド政権崩壊から1年を迎えるなかで開催された会合で、シリア主導による改革を高く評価する一方、宗派間緊張やテロの脅威に引き続き警戒する必要性を強調(2025年12月18日)

国連(公式サイト)によると、安保理でシリア情勢への対応を協議する会合(第10072回) が開かれた。

アサド政権崩壊から1年を迎えるなかで開催された会合では、 ローズマリー・ディカルロ国連事務次長(政治・平和構築問題担当)、ジョイス・ムスヤ人道問題担当国連事務次長補兼緊急援助副調整官、常任・非常任理事国代表が 、シリア主導による改革を高く評価する一方、宗派間緊張やテロの脅威に引き続き警戒する必要性を強調した。

また、国連(公式サイト)によると、イスラエルによる軍事行動をめぐっては、パキスタン、イラン、クウェート(アラブ諸国を代表)などが、シリアの主権と領土的一体性の尊重を強く求めた。

米国代表は、最近の米軍に対する攻撃を非難しつつ、シリア国民への支持と、多くの制裁解除による経済再建支援を表明した。

イスラエル代表は、北部国境の安全確保を理由に、ダマスカスから緩衝地帯に至る非武装地帯の設置を要求した。

シリア代表は、「新しいシリアは法の支配と説明責任に基づいて築かれている」と反論し、独立調査委員会の設置やテロ対策での国際協力を強調する一方、イスラエルの行動が外交努力を損なっていると批判した。

 

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アラビーヤ・チャンネル:シャルア移行期政権は、シリア民主軍を3個師団のかたちでシリア軍に編入し、それ以外の争点については先送りするとすることを初めて書面で提案(2025年12月18日)

アラビーヤ・チャンネルによると、アフマド・シャルア移行期政権は、シリア民主軍に対して、同軍を3個師団のかたちでシリア軍に編入し、それ以外の争点については先送りするとすることを書面で提案した。

書面での提案はこれが初めてだという。

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UN-Habitatの高林博史シリア・レバノン事務所長とエネルギー省のウサーマ・アブー・ザイド水資源担当次官補がダマスカス郊外県ムライハ市における中央給水タンクの改修にかかる協定に署名(2025年12月18日)

エネルギー省(フェイスブック)によると、ダマスカス県飲料水公社は、エネルギー省の後援、サウジアラビアのサルマーン国王人道支援活動センターの資金提供、ならびに国連人間居住計画(UN-Habitat)との協力により、「ダマスカス郊外県ムライハ市における中央給水タンク(給水塔)の改修を通じた水資源安全保障強化プロジェクト」にかかる協定に署名した。

協定には、ダマスカス県およびダマスカス郊外県の飲料水公社を代表して、エネルギー省のウサーマ・アブー・ザイド水資源担当次官補と、UN-Habitatの高林博史シリア・レバノン事務所長が署名した。

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エネルギー省(フェイスブック)によると、高林所長はまた、ムハンマド・バシール・エネルギー大臣と会談し、水資源安全保障および基礎サービス分野における協力強化について協議した。

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在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使がサラミーヤ国立病院を訪問、同病院に医療機器を提供するための契約をアーガー・ハーン財団(AKF)と交わす(2025年12月18日)

在シリア日本大使館(フェイスブック)によると、在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使がハマー県サラミーヤ市にあるサラミーヤ国立病院を訪問、同病院に医療機器を提供するための契約をアーガー・ハーン財団(AKF)と交わした。

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ハマー県北部の農村地帯で、ダーイシュの紋章を付けた武装グループが、即席の検問所を設置、若い男性に対して、過去に「自由シリア軍」に属していたかどうかを尋問(2025年12月18日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部の農村地帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の紋章を付けた軍服姿の4人組からなる武装グループが、即席の検問所を設置、若い男性に対して、過去に「自由シリア軍」に属していたかどうかを尋問した。

武装グループは、数分間若者を拘束した後、その場を離れ、その後、アフマド・シャルア移行期政権の内務治安部隊が現地に向かった。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で正体不明の武装グループが40代のアラウィー派1人を銃撃し、負傷させた。

また、シリア人権監視団によると、ヒムス市ザフラー地区で、シリア・アラブ赤新月社の元拠点責任者を務めていた市民1人が、何者かによって銃で撃たれ、死亡した。

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北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区で、シャルア移行期政権による封鎖の解除と暖房燃料確保を求める大規模なデモ(2025年12月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区で、アフマド・シャルア移行期政権による封鎖の解除と暖房燃料確保を求める大規模なデモが行われ、住民らが参加した。

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ラッカ県とハサカ県で米軍がダーイシュに対する治安作戦・空挺作戦を実施、シャルア移行期政権が協力、イラク軍が参加(2025年12月18日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米軍が、アフマド・シャルア移行期政権の支配下にあるマアダーン町近郊のマスターハ村で治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあるとされるアブドゥルカリーム・マフムード・アフマド容疑者を標的とした。

シリア人権監視団によると、この作戦でアフマド容疑者は死亡、別の1人が拘束された。

作戦は、米軍単独で行われ、シャルア移行期政権の内務治安部隊は参加せず、作戦地域周辺で警戒活動にあたった。

拘束された男性は、北・東シリア地域民主自治局の支配地にある米軍の基地に連行された。

シリア人権監視団によると、作戦では、女性1人と10代の若者1人が流れ弾によって死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合は北・東シリア地域民主自治局内務治安部隊(アサーイシュ)と連携し、タッル・ハミース市郊外のイラク国境に近いスカンダルーン村およびラビーア村で、ダーイシュ(イスラーム国)のセルに対する空挺作戦を実施した。

作戦にはイラク軍部隊も参加した。

アラビーヤ・チャンネルは、作戦について、シャルア移行期政権との調整のもとに実施され、ダーイシュのイラク人幹部2人(うち1人はアブー・マーズィンの名で知られる幹部)が拘束されたと伝えた。

シリア人権監視団によると、米軍の輸送機2機がハッラーブ・ジール村にある有志連合の航空基地にミサイル発射装置、重火器、軍用車輛、さらに米兵などを輸送した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ精神指導部の長であるヒジュリー師がビデオ演説を行い、アサド政権崩壊から1年が経った現在のシリア情勢やドゥルーズ派の姿勢について言及(2025年12月18日)

ムワッヒド・ドゥルーズ精神指導部は、フェイスブックを通じて、同指導部の長であるヒクマト・ヒジュリー師のビデオ演説を配信した。

声明のなかで、ヒジュリー師は、アサド政権崩壊から1年が経った現在のシリア情勢やドゥルーズ派の姿勢について言及、暴君が国際的な調整のもと逃亡し、その脆弱な体制は崩壊したことを評価しつつ、新たに発足したアフマド・シャルア移行期政権を、「政治化された諸派閥と、過激思想に染まった武装集団、さらにダーイシュ(イスラーム国)や外国人戦闘員が混在する体制」と形容した。

また、女性や子どもたちが、シャルア移行期政権下で拉致、強制失踪、砲撃、封鎖の脅威に晒されていると指摘、違法なあらゆる行為を非難し、裏切り者とテロリストの責任を追及するよう求めた。

さらに、宗派的扇動が続き、少数派の殲滅を企図する姿勢やテロの手法が維持されていることを強く非難、ヒムス県および沿岸部でアラウィー派やキリスト教徒に対して行われた宗派的攻撃や虐殺、さらにはシリア民主軍の支配地域での継続的な攻撃を糾弾した。

そのうえで、ヒジュリー師は、国際社会に対して、これらすべての侵害と攻撃を止めるための介入を求めるとともに、クルド人の権利を全面的に支持する姿勢を明示、沿岸部の住民が示している覚醒と不正拒否の姿勢を支持し、祝意を表した。

声明では、伝統、土地、原則を守り続けるすべての少数派に敬意が示されるとともに、国際決議の履行を重視する開かれた諸国家と連携しつつ、自らの歴史的権利の要求を引き続き追求していくと述べられた。

さらに、イスラエルの政府と国民、ならびに自らの行動を評価し解決を志向するすべての大国に対して謝意を表明した。

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スワイダー県では、国民防衛部隊(フェイスブック)によると、アフマド・シャルア移行期政権所属部隊が県西部のリーマト・ハーズィム村、マズラア町に展開、マジュダル村を無人航空機と迫撃砲で攻撃、2人が負傷した。

また、シャルア移行期政権の別の部隊がスワイダー市北西方面に潜入を試み、国民防衛部隊がこれを迎撃し、シャルア移行期政権の部隊の兵士4人が負傷した。

さらに、国民防衛部隊(フェイスブック)シリア人権監視団によると、午後5時50分、マジュダル村に展開する同部隊が、シャルア移行期政権に所属する無人航空機1機を撃墜した。

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シリア人権監視団によると、サルハド市郊外で、羊飼いとして働く市民1人が殺害されているのが発見された。

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イスラエル軍がクナイトラ県ハイラーン村に侵入し、若者1人を拘束(2025年12月18日)

クナイトラ県では、SANAシリア人権監視団によると、軍用車輛7台からなるイスラエル軍部隊が県南部のハイラーン村に侵入し、住宅1棟を捜索、若者1人を拘束した。

また戦車2両、軍用ブルドーザー2台、軍用車輛1台からなる別の部隊がダルイーヤ丘に侵入し、放棄された中隊基地内で造成作業を行った。

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アブー・カスラ国防大臣は西部管区担当国防大臣補佐官のタッハーン准将らとともにタルトゥース県、ラタキア県の県知事らと会談(2025年12月18日)

国防省(フェイスブック)によると、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣は、西部管区担当国防大臣補佐官のムハンマド・ディヤー・サーリフ・タッハーン准将および複数の士官とともに、タルトゥース県のアフマド・シャーミー知事氏および県関係者と会合を開き、県内の安全と安定を確立するための軍と市民社会組織の協力強化について協議した。

国防省(フェイスブック)によると、アブー・カスラ国防大臣はまたタッハーン准将らとともにラタキア県のムハンマド・ウスマーン知事および県関係者と会合を行い、軍と市民社会組織の協力強化について協議した。

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