イラク・クルディスタン自治政府のバールザーニ大統領:「シリア民主軍は途方もない犠牲を払ってきた。彼らは単に武器を捨て、制服を脱ぎ、統合の保証なしに個別に吸収されるわけにはいかない」(2025年12月3日)


イラク・クルディスタン自治政府のネチルバン・バールザーニ大統領は、オーストラリアのスペクテーターのインタビューに応じ、そのなかで、シリア情勢について以下の通り述べた。

アフマド・シャルア暫定大統領はシリアにとって最後のチャンスだ。
権力の分権化はシリアに不可欠だ。
シリアの本質は常に多元的で、宗教的にも民族的にも多様であった。沿岸地域でのアラウィー派に対する最近の虐殺的攻撃、南西部でのドゥルーズ派に対する攻撃、シリアのマイノリティの脆弱性を踏まえると、米国は条件付きでシリアを支援すべきである。
キリスト教徒、ドゥルーズ派、ヤズディー、アラウィー、クルド人、世俗的スンナ派アラブ人、そして他のすべてのパートナーが、新しいシリアに完全に代表されなければならない。
あらゆる信仰と背景を持つ関係者が関与することが、安定し統一されたシリアを築く。
これらの部隊(シリア民主軍)は途方もない犠牲を払ってきた。彼らは単に武器を捨て、制服を脱ぎ、統合の保証なしに個別に吸収されるわけにはいかない。
シャルア暫定大統領と会った時、我々はダーイシュ(イスラーム国)の脅威と、有志連合に参加する価値について議論した。

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ダマスカス郊外県内務治安部隊はカタナー郡カナーキル村でダーイシュに対する治安作戦を実施し、3人を逮捕(2025年12月3日)

内務省(フェイスブック)によると、ダマスカス郊外県内務治安司令官のアフマド・ダッラーティー准将は、県内務治安部隊が、総合諜報機関と連携して、カタナー郡カナーキル村でこの数週間にわたってテロリストらの動きを精密に追跡し、信頼性の高い諜報・情報に基づき、ダーイシュ(イスラーム国)の組織のアジトを標的とした精密な治安作戦を実施したと発表した。

ダッラーティー准将によると、この作戦で、3人を逮捕、爆発物、サイレンサー(消音器)、さらに多種多様な武器や大量の弾薬、テロ活動への関与を裏付ける文書や証拠を押収した。

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国民防衛部隊のアミール報道官はドゥルーズ派シャイフのムトニー師とマーヒル・ファルフート氏の死因が薬物の大量摂取と心臓発作だったと発表(2025年12月3日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、県西部のイラー村、ヒルバト・サマル村、ラサース村、カナーキル村(ダマスカス郊外県)一帯で、アフマド・シャルア移行期政権の軍部隊および傘下の武装勢力と、国民防衛部隊が激しく交戦した。

また、シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権の軍部隊および傘下の武装勢力が、県北西部のマンスーラ村から、重機関銃を用いてスワイダー市近郊の運輸検問所地区を攻撃した。

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スワイダー24によると、高等法務委員会は数日前、県内の避難所の撮影を事前の書面許可なしに行うことを、地元メディアおよびメディア関係者に禁止する口頭通達を出した。

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国民防衛部隊のタラール・アミール報道官は、同部隊のフェイスブックを通じてビデオ声明を発表した。

声明のなかで、アミール報道官は、11月29日に国民防衛部隊によって逮捕されていたドゥルーズ派シャイフのラーイド・ムトニー師とマーヒル・ファルフート氏が前日に国民防衛部隊の車輛からスワイダー市の国立病院前に遺体で投げ込まれた件に関して以下の通り釈明した。

拘束中に2人の被拘束者が死亡した件については、法医学報告によれば、1人目は高血圧治療薬の大量摂取による死亡、2人目は心臓発作による死亡であり、拘留状況とは無関係であることが証明された。ここで、関与者の家族が示した理解と品位を称賛する。彼らは、問題の行為を非難し、それが外来の異常な行動であることを認識し、家族の本来の高潔さを示した。

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アレッポ県ズィルバ村近郊で、関税職員のパトロール部隊が正体不明の武装グループの要撃を受け、2人が死亡、2人が負傷(2025年12月3日)


アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トゥルカーン村で、前政権下で殺害されたと見られる身元不明の8人(子ども1人、女性1人を含む)の遺骨を収めた集団墓地が発見された。

また、シリア人権監視団ANHAによると、ズィルバ村近郊で、関税職員のパトロール部隊が正体不明の武装グループの要撃を受け、職員2人が死亡、2人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域内のラアス・アイン市で、アフマド・シャルア移行期政権所属の憲兵隊の隊員どうしが中・重火器を用いて激しく衝突、これにより1人が死亡、3人が負傷した。

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シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の内務治安部隊は、バッカーラ部族の族長のナウワーフ・ラーギブ・バシール氏を、「抵抗枢軸」とのつながりがあるとして数日間にわたり拘束、同部族出身の政府高官の仲介を受けて釈放された。

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シャルア移行期政権の軍部隊が、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ県ダイル・ハーフィル市近くに対して重火器と無人航空機で攻撃を行い、民間人3人が負傷(2025年12月3日)

ラッカ県では、ANHAシリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配地域とアフマド・シャルア移行期政権の支配地域を隔てるタブカ市・イスリヤー村(ハマー県)街道の通行が2ヵ月ぶりに再開された。

街道は、シャルア移行期政権当局が10月5日に一方的に閉鎖していた。

ただし、今回の再開は、午前6時から午後6時までと限定的。

シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるマンスーラ町周辺で、原因不明の爆発音が確認された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権の軍部隊が、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるダイル・ハーフィル市近く(ダイル・ハーフィル交差点一帯)に対して重火器と無人航空機で攻撃を行い、民間人3人が負傷した。

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イスラエル軍の無人航空機がダマスカス郊外県バイト・ジン村一帯を複数回にわたって爆撃(2025年12月3日)


クナイトラ県では、SANAによると、イスラエル軍部隊がアドナーニーヤ村方面から県南部のムシャイリファ村、とサアーイダ村、ウンム・アザーム村に展開し、現地に一時的な検問所を設置する一方、軍用車輛3台からなる別の部隊がルワイヒーナ村方向へ侵入した。

また、SANAによると、2台の車輛からなるイスラエル軍部隊が夜、県北部のハミーディーヤ村方面から西サムダーニヤ村の東側を経て、西サムダーニーヤ村とマシュラファ村の間にある破壊された建物の周辺に侵入した。

一方、シリア人権監視団によると、イスラエル軍部隊がウーファーニヤー村の民家を急襲し、宅内に不法侵入し、捜索を行った。

また、シリア人権監視団によると、車輛1台と兵士数名からなるイスラエル軍部隊が県中央部の西ズバイダ村の学校付近に検問所を設置した。

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ダマスカス郊外県では、SANAシリア人権監視団によると、イスラエル軍の無人航空機が、バイト・ジン村一帯に複数回にわたって爆撃を実施した。

爆撃は、バート・ワルド道路沿線およびバート・ワルド丘一帯を標的としたもので、これと前後して、イスラエル軍の偵察機が首都ダマスカス西部郊外とクナイトラ県北部の上空に頻繁に飛来した。

一方、シリア人権監視団によると、UNDOF(国連兵力引き離し監視軍)に属する部隊が朝、サアサア町からバイト・ジン農場に向けて巡回を行った。

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バーバー内務省報道官はヒムス県ザイダル村で発生した凄惨な殺人事件の犯人を逮捕したと発表(2025年12月3日)

内務省(フェイスブック)によると、ヌールッディーン・バーバー報道官は記者会見を行い、11月23日にヒムス県ザイダル村で発生した凄惨な殺人事件の犯人を逮捕したと発表した。

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SANAによると、バーバー報道官は記者会見のなかで、以下の通り述べた。

捜査範囲を広げた結果、主要容疑者の身元を特定し、身柄を拘束した。取り調べの結果、犯人は1999年生まれのムハンマド・フマイド(父:ハリーファ、母:タルファ)で、危険度の高い薬物クリスタル・メスを常習的に使用していたことが判明した。また、被害者男性の姉妹の息子にあたり、被害者と直接の親族関係にあった。
犯人は盗みを目的として犯行に及んだ。親族関係を利用して、普段から出入りしていた被害者宅に侵入し、犯行が露見すると、2人を殺害した。その後、捜査を撹乱するため、被害者の血で宗派扇動的な文言を書き残し、証拠隠滅のため現場に火を放った。
刑事調査局の専門鑑識チームは、現場の科学的分析に基づく捜査を行い、犯人につながる痕跡と証拠を発見した。犯人は後に犯行の全容を完全に自白した。今後、法的手続きに基づき、音声と映像で記録された自白内容が公開され、世論に事件の真相と詳細が明らかにされる予定である。
内務省は被害者遺族に深い哀悼の意を表すとともに、この試練に際して遺族が示した責任ある愛国的立場を称賛した。また、ヒムスの住民、指導者、社会団体が、ヒムスという歴史ある多様性の地を分断しようとする企てに対し揺るぎない姿勢を示したことを高く評価すると述べた。個別の犯罪を利用してヒムスの社会的織りを傷つけようとする試みには屈しないと強調した。
内務省は、事件後に発生した違法行為を一切容認しないとし、治安や安定を乱し、宗派対立を扇動した者については厳しく処罰する方針を改めて表明した。また、憎悪や宗派主義の言説、虚偽情報の拡散に対する警戒を呼びかけ、すべての市民とメディアに対し、公式発表を確認する前に情報を拡散しないよう求めた。
「信仰する者よ、もし邪な者が情報をあなたがたに齎したならば、慎重に検討しなさい。これはあなたがたが、気付かない中に人びとに危害を及ぼし、その行ったことを後悔することにならないためである」(コーラン)。

SANAによると、バーバー報道官はまた以下の通り述べた。

ヒムスは歴史と文明の象徴であり、共存と国家的友愛の土地であり続けている。ヒムスをゆがめようとするあらゆる試みを上回る強さを持っており、シリアの堅固な統一の模範であり続ける。
解放以降、無秩序な武器の蔓延は明確に減少しており、この問題を解決するために鋭意取り組んでいる。今後、武器の不正使用を取り締まる法律の強化が行われる見込みである。
また、電子犯罪に関する新たな法律も制定予定であり、すでに扇動に関与する多数の人物を特定している。
事件後の暴動や不法行為に関与した120人以上の容疑者を拘束した。一方、殺人事件そのものについての捜査では、犯行者は1人であることを確認した。なお、他に容疑者がいる場合は、拡大捜査および司法手続きにより、各自の関与の程度が決定される。
犯人は盗みを目的とし、薬物の影響下で犯行に及んだ。現在、現場および政府機関と協力して、憎悪言説やその他の問題への対策を強化している。また、社会的指導者や地域代表との対話を強化することで、あらゆる問題の解決策を模索している。
シリア国家は事態を誇張することはせず、国家的結束と内部の団結を強化することを優先しており、これが外部勢力のいかなる計画も挫くことになる。補償問題については後日協議され、被害市民には訴訟を起こす権利がある。
治安は全ての人の責任であり、社会は内務省の安全確保の主要なパートナーである。ヒムスの住民や部族は素晴らしい協力姿勢を示しており、市民の前向きな対応は、今回の試練を乗り越えるうえで大きく貢献した。

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大統領府は「解放記念日」を迎えるにあたり12月7、8日を祝日に:ハマー市でイスラーム過激派を象徴する巨大な横断幕が掲げらる(2025年12月3日)

大統領府事務局は、テレグラムを通じて声明を出し、「解放記念日」を迎えるにあたり、ヒジュラ暦1447年6月17日(日)・18日(月)、すなわち西暦2025年12月7日・8日の2日間、国家公務員基本法第43条第J項が定める公的機関を休業とすると発表した。

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ラタキア県では、SANAによると、ラタキア大学で、大学内の中央管理棟近くの広場で、「解放記念日」を祝うイベントが開催され、学生、教職員らが参加した。

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タルトゥース県では、SANAによると、バーニヤース市で、「解放記念日」を祝う祝賀イベントが開催され、住民らが参加した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市アースィー広場で、「解放記念日」を祝うとして、ビルの高層階に、白地に黒字で「アッラーの他に神なし」と書かれたイスラーム過激派を象徴する巨大な横断幕が掲げられた。

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シャイバーニー外務在外居住者大臣はUAEとレバノンの大使と会談し、信任状の写しを受け取る(2025年12月3日)

外務在外居住者省(フェイスブック)によると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、首都ダマスカスでUAEのハマド・ラーシド・ビン・アルワーン・ハバシー大使と会談、大使から信任状の写しを受け取った。

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外務在外居住者省(フェイスブック)によると、シャイバーニー外務在外居住者大臣はまた、レバノンのアンリ・カストゥーン大使と会談、信任状の写しを受け取った。

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国連総会は占領下のゴラン高原からのイスラエル撤退を求める決議を採択:米国、イスラエルは反対(2025年12月3日)

CNNアラビア語版によると、国連総会は3日(米東部時間2日)、占領下のゴラン高原からのイスラエル撤退を求める決議を賛成123票、反対7票、棄権41票で採択した。

反対票を投じたのは、米国、イスラエル、ミクロネシア連邦、パラオ、パプアニューギニア、パラグアイ、トンガ。

イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、この採決を非難、総会が現実から乖離していると批判、占領下のシリア領土について、「我が国にとっての生命線となる防衛ラインだ」と主張した。

一方、外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、国連総会での決議採択に謝意を示した。

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