アサド大統領がバーニヤース市に新たに建設された発電所とラタキア県の森林火災現場を視察訪問(2023年8月3日)

アサド大統領はタルトゥース県のバーニヤース市に新たに建設され、数週間後に稼働する予定の発電所を訪問した。

アサド大統領はまた、ラタキア県で発足されたシリア太陽光パネル会社も視察した。

アサド大統領は発電所の職員らに対して、以下の通り述べた。

我々が電気の問題を抱えて暮らしていることは誰もが知っている。だが、私がここに興味を持ち、来たきっかけは、電気の問題とは関係がない…。プロジェクトを完了しようとしても、戦争や経済封鎖といったさまざまな理由で、通常より時間がかかってしまう…。しかし、我々が今いるこの発電所は、1年半以上前に民間企業との間で話し合いが始まり、それ以降すべてが計画通りに進んでいる。それは驚きであり、またあなた方、労働者、技術者、エンジニアにとって、自らの成果として記録されるべきものだ。

まずはこの点に評価の意を示したい。特筆すべき点だ。戦争と封鎖という状況下で、計画通りに成果を出すことは非常に重要だ。第2の点は、このプロジェクトが、電力部門に限られず、民間セクターと公営セクターの協力のもとで行われた最初のプロジェクトだということだ。昨年はアドラー市で太陽エネルギーの施設を着工したが、従来型のエネルギーは今回が初めてだ。以前、臆病資本と愛国的な資本の話をしたことがある。資本は臆病だと言われるが、我々は、臆病な資本は愛国的にはなり得ないと言いたい。資本が臆病だったとしたら、我々はこのような状況下でこの発電所を建設することなどできなかった。愛国的な資本とは勇敢であることだけを許されている。これは、あなた方が示してくれているきわめて重要なモデルだ。今後数週間、あるいは1ヵ月、1ヵ月半のうちに、電力の生産が開始され、その影響は人々に及ぶことになる。国民のニーズからすると、24メガワットというのは小さなものだが、電力の問題においては、いかなる増加も人々、そして我々が暮らす生活のすべての側面に影響を与える。

だから、我々は短期間で結果を目にすることを期待している。このような発電所を小規模な試みと捉えてもよいのか? 続く第2段階において、我々はほかの地域で似たような試みを始めることになろう。それらは既存の発電所の規模を踏まえると、いずれも大規模なものだ。このような発電所はシリアのような小国にとってさらなる栄誉なのか? 電力危機ゆえの栄誉なのか、電力不足があるなかでの技術的な側面における栄誉なのか?

昨年、我々がアレッポ県に発電所、あるいはその一部を開設した際、その電力をアレッポ市とアレッポ県だけに配分することにした。その理由は二つあった。第1は、アレッポ市が生産業の都市であり、深刻な電力不足になったことだ。しかし、もう一つの側面としては、同じ地域で発電が行われることで、電力不足を補うことができる。このことを我々は試験的に行ってきたが、我々はそこを、技術面での分権の始まりだと考えている…。今後の段階において、こうしたことが分権の一部をなすものだと考えることができる。それぞれの地域で別個に発電が行われ、電力局を通じて別個に販売される…。

これは新たな試みだが、あらゆる分野において先駆的な試みとなるのは確実だ。特に、公営セクターと民間セクターによる真の協業は、国家が行わなければ、誰も行うことができないと長い間考えられてきたプロジェクトと見ることができる。民間セクターが実質的且つ愛国的であれば、国家を支えることができ、その影響が国民に及ぶことを常に示すものだ。自分たちの役割がどこにあるのかを知るのは非常に重要だ。あなた方が技術的な問題に取り組んでいることは事実だが、技術的な問題は愛国的プロセスであることを知っておく必要がある。だから、私はここに来たいと思った。駆け足の訪問ではあるが、経営者から詳細を訊き、それを理解し、あなた方とともに状況をフォローアップし、ことが順調に進み、楽観視し得るものであることを目にしたかった。第2段階が延滞なく早急に開始され、シリアの深刻な電力危機が可能な限り軽減されることを期待する。





















 

 

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アサド大統領はまた、7月25日に発生したラタキア県の森林火災の消火現場を訪問し視察した。







 



SANA(8月3日付)が伝えた。

AFP, August 3, 2023、ANHA, August 3, 2023、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2023、‘Inab Baladi, August 3, 2023、Reuters, August 3, 2023、SANA, August 3, 2023、SOHR, August 3, 2023などをもとに作成。

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