シャルア暫定大統領が政権掌握後初めて外国を訪問、サウジアラビアでムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会談:兄のハーズィム・シャルア氏も同行(2025年2月2日)

シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領がアスアド・ハサン・シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣大臣とともに、政権掌握後初となる外遊としてサウジアラビアの首都リヤドを訪れた。

シャルア暫定大統領ら一行は、ヤマーマ宮殿を訪れ、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子と会談した。

ムハンマド皇太子との会談後、シャルア暫定大統領は以下の声明を出した。

サウジアラビア王国のムハンマド・ビン・サルマーン皇太子殿下の温かい歓迎とご厚意に対し、心より感謝申し上げる。 本日、長時間にわたる会談を行い、シリアの未来の建設を支援したいという真摯な意志を直接感じ、また耳にすることができた。また、シリア国民の意思を尊重し、その領土の一体性と安全を確保することへの強い関心が示されました。 今日の会談ではまた、あらゆる分野において広範な議論と意見交換を行った。特に人道的および経済的分野において、あらゆるレベルでの連絡と協力のレベル引き上げに取り組んだ。エネルギー、技術、教育、医療といった分野での広範な将来の計画を協議し、ともに真のパートナーシップを築くことで、地域全体の平和と安定を確保し、シリア国民の経済状況を改善することを目指している。さらに、アラブおよび国際的な問題においてシリアの立場を強化するため、政治・外交面での協力を継続していく。特に、先月のサウジアラビアの首都リヤドで行われた協議を踏まえ、引き続き連携を深めていく。
アフマド・シャルア
シリア・アラブ共和国大統領

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シリア・テレビによると、アフマド・シャルア暫定大統領に同行した使節団には、兄のハーズィム・シャルア氏が参加した。

ハーズィム・シャルア氏は、ムハンマド皇太子との会談において、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣に次ぐ席に付き、皇太子への代表団紹介の際には最前列に立っており、高い地位についていることが伺われるという。

ハーズィム・シャルア氏は、1975年生まれ、経済専門家のフサイン・シャルア氏の次男。ダマスカス大学で法学を学び、2007年に弁護士組合に入会、炭酸飲料メーカーのジュード社で務めていた。イラクのアルビール市に長らく居住し、シャルア大統領とともに活動している様子は、アサド前政権崩壊前後のいずれにおいても確認されていないという。

ハーズィム・シャルア氏は、ユーロニュース(アラビア語版)が、2024年12月に新政権の高官に任命されたと伝えていたが、公の場に姿を表したのは、今回が初めて。

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また、イナブ・バラディーによると、シャームの民のヌスラ戦線の司令官(アミール)としてアレッポ市での戦闘などを指揮し、シャーム解放機構ではウマル・ブン・ハッターブ旅団を指揮していたアブドゥッラフマーン・サラーマ(アブー・イブラーヒーム)も同行した。

サラーマの役職は不明だが、シリア北部の投資事業などを統括していたことから、経済部門にを担当しているものと見られる。

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SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、ソマリア大統領から暫定大統領就任を祝福する書簡を受け取った。

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