シャルア暫定大統領はシャイバーニー暫定外務在外居住者大臣とともにトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談(2025年2月4日)

シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、アスアド・ハサン・シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣とともに、「姉妹国トルコ」を訪問した。

アラブ諸国を指す「姉妹(shaqiqa)国」がトルコに対して用いられるのは極めて異例。

トルコを訪れてシャルア暫定大統領とシャイバーニー暫定外務在外居住者大臣は首都アンカラの大統領府でレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談した。

**

SANAによると、会談後の記者会見で、エルドアン大統領は、以下の通り表明した。

シリア大統領を歓迎し、アンカラでの彼の訪問を心から感謝する。すべての人が知っているように、シリア国民は13年間にわたり、アサド体制の犯罪による抑圧、樽爆弾や大量虐殺を受け、数万人のシリア人が殉教した。
シリア国民は、自らの未来を決定する自由を得た。我々は困難な時期にシリアの側に立ち、これからも支援を続ける。
シリア大統領と二国間関係やその発展方法について話し合い、シリアの主権と領土の一体性を確認した。
今後、シリア側との訪問や会談を増加させ、関係を戦略的なレベルへ引き上げる。
欧米の対シリア制裁は復興の妨げとなっているが、我々は新たな段階においてシリアを支援する準備ができている。
兄弟であるシリア国民に敬意を表し、本会談が両国と両国民にとって有益なものとなることを願う。

これに対して、シャルア暫定大統領は以下の通り述べた。

エルドアン大統領に感謝を申し上げる。シリア国民は、過去数年間にわたりトルコがシリアに対して行ってきた支援を決して忘れない。
現在、両国の関係は特別な兄弟関係にあり、それをあらゆる分野で深い戦略的パートナーシップへと発展させることを確認した。
イスラエルが最近侵攻した地域から撤退することの必要性について議論した。これは、1974年の停戦合意に基づくものである。
シリアとトルコの関係は、歴史と地理のなかで長く続いてきた。エルドアン大統領には、可能な限り早い時期にシリアを訪問していただくよう招待する。

**

ロイター通信は、会談に先だって、シャルア暫定大統領とエルドアン大統領が、シリア領内でのトルコ軍基地の設置などにかかる共同防衛協定について議論する見込みだなどと伝えていた。

(C)青山弘之 All rights reserved.