シャルア暫定大統領はラタキア市、タルトゥース市を訪問:「マイノリティという名を持つものなどない…シリアが共存し合う宗派からなっていると定義してはならない」(2025年2月16日)

シリア・アラブ共和国大統領府によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、15日にイドリブ県からアレッポ県に移動、アフリーン市を経由し、アレッポ市内のシャフバー・ホテル(旧メリディアン・ホテル)に宿泊、この間、アフリーン市とアレッポ市で地元の名士や名望家と会談した。

ムラースィルーン(Syrian Reporters)によると、シャルア暫定大統領はアレッポ市での会談で「我々にはマイノリティという名を持つものなどない…。あるのは皆の権利を守る法だけだ。シリアが共存し合う宗派からなっていると定義してはならない。我々はこうした段階を1300年以上前に乗り越えた」と述べた。

シャルア暫定大統領はまた、アレッポ市からラタキア市に移動し、地元の名士や名望家と会談した。



その後、タルトゥース市に移動し、同じく地元の名士や名望家と会談した。

解体された人民議会の議員を務めていたスハイル・サラーム・フドル氏は、フェイスブックで、タルトゥース市でのシャルア暫定大統領との会談に出席したとしたうえで、議論が治安状況、公務員の恣意的解雇、退職者の年金、軍や警察への復帰、逮捕者の釈放、厳しい生活状況、公共サービスの問題など多岐に及び、シャルア暫定大統領が以下の通り、述べたことを明らかにした。

シリアは病んでおり、集中治療を受けている状態だ。そんな時に髪型を気にしても意味がない。重要なのは心臓だと言いたい。 つまり、優先順位がある。
誰も解雇してはおらず、状況が落ち着くまでの間の有給休暇扱いとしているだけだ。
経験豊富な士官については、希望すれば復帰は認られるだろう。
逮捕者は順次釈放される。

フドル氏によると、会談の出席者らは、以上の質疑応答において示した自らの要求を記した要望書をシャルア暫定大統領に手渡したという。

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