パリの検察庁は、シャルア暫定大統領、アブー・カスラ国防大臣、ハッターブ内務大臣、ムハンマド・ジャースィムら5人に対する訴訟を受理:容疑は沿岸部でのジェノサイド、民族浄化、人道に対する罪(2025年4月11日)

シリア人権監視団によると、フランスの首都パリの検察庁は、アフマド・シャルア暫定大統領、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣、アナス・ハッターブ内務大臣、新シリア軍(国防軍部隊)第25師団のムハンマド・ジャースィム司令官(シリア民主軍スルターン・マリク・シャー師団司令官)ら5人に対する訴訟を受理した。

訴訟は、フランス・アラウィー派連合の代理人であるペドロ・アンドゥロハル弁護士が提出、3月に沿岸部で発生した内務省総合治安局と国防省部隊によるアラウィー派住民らの殺害、略奪、破壊に対し、ジェノサイド、民族浄化、人道に対する罪などの容疑がかけられている。

主な起訴内容は以下の通り:
アラウィー派市民を中心に、少なくとも2,500人の民間人が死亡した50件以上の虐殺の実行
強姦、殺害、住宅の焼き討ち、死亡証明書の発行拒否
学校や私有財産への攻撃
宗派的・民族的な人口構成を変更することを目的とした強制移住

訴訟ではまた、フランスおよび国際当局に対して以下のような要請も盛り込まれている。

すべての敵対行為の即時停止
沿岸地域からの武装勢力の撤退
特にアラウィー派住民を中心とした拘束者の解放
国際的かつ中立的な調査の開始と、人道に対する罪としての分類
被害地域への国際監視団および独立した人権専門家の派遣

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