在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使とUNHCRシリア事務所のバルガスリョサ所長が、日本からシリアへのパートナーシップ支援として提供される助成金に関する覚書に署名(2025年12月10日)


在シリア日本大使館(フェイスブック)は、以下の通り発表した。

日本のシリア向け無償資金協力について、国連難民高等弁務官事務所)(UNHCR)との協力のもと、署名および交換公文の手続きが行われた。これは、国内避難民(IDPs)や帰還民の生活を支援し、社会サービスへのアクセスを改善するための最新の支援となる。シリアの復興への道のりを支援しつつ。

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SANAによると、在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使と、UNHCRシリア事務所のゴンサロ・バルガスリョサ所長が、日本からシリアへのパートナーシップ支援として提供される助成金に関する覚書に署名した。

助成金は、「持続的帰還と再統合のための人道的保護」プロジェクトの一環として拠出され、その額は約537万米ドルに上る。

調印式はダマスカスのフォーシーズンズ・ホテルで行われた。

辻臨時代理大使はSANAに対して、日本とシリアには長い友好と協力の歴史があり、日本は常にシリア国民の重要な支援者であり続けてきたとしたうえで、今回の拠出はアサド政権崩壊から1年の記念日に合わせて行われたことを明らかにした。

また、今回の支援が、シリア国民に寄り添うという日本の国民および政府の姿勢の表れであり、今後も人道ニーズへの対応とさらなる貢献を続けていくと強調した。

バルガス=リョサ所長は、今回の支援に関して、アサド政権崩壊から1年という節目に合わせて行われただけでなく、世界人権デー(12月10日)とも重なっていると指摘した。

外務在外居住者省のムハンマド・ザカリヤー・ラバービーディー・アフロ・アジア・オセアニア局長は、助成金について次のように述べた。

解放記念1周年という歴史的節目に合わせた政治的・人道的に重要な支援である。
これは、新生シリアにおける日本シリア両政府および国連機関の共通意志を体現している。
シリアと日本の友好関係は1953年にさかのぼり、1962年の在ダマスカス日本大使館開設後、日本はシリア国民の主要支援国である。
今回のプロジェクトは単独の支援ではなく、両国の協力関係全体の中核をなすものであり、新しい共同作業の地平を開くものだ。
政府は政治的成果を再建・復興の具体的プロジェクトへ転化することに取り組んでいる。
IDPs・難民の安全で尊厳ある帰還を可能にする環境整備を進めている。
そのためには国際社会との協力、特に日本およびUNHCRとの協働が不可欠である。

UNHCRシリア事務所のセリーン・シュミット報道官によると、本プロジェクトの受益者は1,642,500人を見込んでおり、内訳は、ダマスカス県の出入国管理総局の再整備により約20万人が受益者となり、ダルアー県、スワイダー県、ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県の16の民政局・不動産登記局の再整備で約144万2500人が受益者となる。


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