シリア軍、ヒズブッラー戦闘員がダマスカス郊外県カラムーン地方、イドリブ県でアル=カーイダ系組織(ヌスラ戦線)と交戦(2015年5月14日)

ダマスカス郊外県では、マナール・チャンネル(5月14日付)などによると、ヒズブッラー戦闘員が、カラムーン地方の国境地帯に位置するダフル・ハワー高原で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦、同地を完全に制圧した。

ダフル・ハワー高原は、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外を一望できる戦略的要衝だという。

またシリア人権監視団によると、ランクース市郊外無人地帯、ナフラ村郊外無人地帯、ラアス・マアッラ町郊外無人地帯で、ヒズブッラー戦闘員、シリア軍、国防隊が、ヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月14日付)によると、サアサア町周辺、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ナシャービーヤ町、アイン・タルマー村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市東部のクファイル村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アフガン人のファーティミーン旅団が、ファトフ軍作戦司令室と交戦した。

同監視団によると、シリア軍は戦闘の末にクファイル村を制圧したが、マサール・プレス(5月14日付)は、シリア軍がほどなく反体制武装集団に放逐されたと伝えた。

戦闘はまた、ムシャイリファ村近郊、ハッターブ高地一帯、ジスル・シュグール市南部の砂糖工場一帯、アルバイーン山一帯、アブー・ズフール航空基地一帯でも行われる一方、シリア軍はハーン・シャイフーン市などを「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(5月14日付)によると、イドリブ市国立病院一帯、砂糖工場一帯、ジスル・シュグール市南部入口一帯、サラーキブ市、アルバイーン山で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ブライジュ村一帯、アレッポ市サーリヒーン地区、ハンダラート・キャンプ一帯、バーシュカウィー村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線と交戦、シリア軍が「樽爆弾」などで空爆を行った。

また、ARA News(5月14日付)によると、シリア軍が、アレッポ市ジスル・ハッジ地区、ハーディル地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、サーリヒーン地区、ブアイディーン地区などを「樽爆弾」などで空爆した。

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ダルアー県では、SANA(5月14日付)によると、ダルアー市カラク地区、旧税関地区、アブー・バクル・モスク一帯など、フラーク市、カフルシャムス町、ナスィーブ国境通行所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、南部タウヒード旅団、ハウラーン・ムジャーヒディーン大隊、スジャイル砲兵大隊、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月14日付)によると、ハミーディーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、スマート・ニュース(5月15日付)は、シリア軍が塩素ガスを装填した「樽爆弾」をアクラブ町に投下したと報じた。

AFP, May 14, 2015、AP, May 14, 2015、ARA News, May 14, 2015、Champress, May 14, 2015、al-Hayat, May 15, 2015、Iraqi News, May 14, 2015、Kull-na Shuraka’, May 14, 2015、al-Mada Press, May 14, 2015、Masar Press Agency, May 14, 2015、Naharnet, May 14, 2015、NNA, May 14, 2015、Reuters, May 14, 2015、SANA, May 14, 2015、SMART News, May 15, 2015、UPI, May 14, 2015などをもとに作成。

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