アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市西部の科学研究センター施設一帯で、同センター奪還をめざすシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員からなる特殊部隊が、山地の鷹旅団、ヌールッディーン・ザンキー運動、イスラーム自由運動などからなる武装集団と交戦し、またシリア軍が「樽爆弾」などで同地を空爆・砲撃した。
戦闘はまた、空軍情報部、大使徒モスク、孤児院が隣接するアレッポ市西部のザフラー協会地区でも発生、シリア軍、国防隊が、アンサール・シャリーア作戦司令室、アレッポ・ファトフ作戦司令室と交戦、シリア軍が同地を激しく空爆した。
戦闘は、6日晩に、アンサール・シャリーア作戦司令室、アレッポ・ファトフ作戦司令室を主導するアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線が、孤児院近くで自爆攻撃を行い、シリア軍兵士25人を殺害したことをきっかけに激化、ヌスラ戦線側も19人が死亡したという。
これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(7月7日付)は、アンサール・シャリーア作戦司令室が、ヌスラ戦線の自爆攻撃などを通じた進撃でザフラー協会地区内の複数カ所を占拠したが、シリア軍の激しい砲撃・空爆を受け、同地から拠点から撤退したと伝えた。
クッルナー・シュラカー(7月7日付)によると、自爆攻撃を行ったのは、アブー・ウザーマ・ジャズラーウィーを名乗る戦闘員で、5トンもの爆弾を車に積んで、シリア軍拠点に特攻し、自爆したという。
しかし、これに関して、SANA(7月7日付)は、シリア軍が、大量の爆発物を積んで自爆攻撃を行うため、ザフラー協会地区に進入しようとした車を破壊し、進入を阻止した、と伝えた。
一方、ヌールッディーン・ザンキー運動広報局長のアフマド・ハマーヒル氏はクッルナー・シュラカー(7月7日付)に対し、科学研究センター施設一帯での戦闘でシリア軍がサリン・ガスを装填した「樽爆弾」3発を投下し、施設内にいた「革命家」らが呼吸困難の症状を訴えた、と主張した。
他方、SANA(7月7日付)によると、アレッポ市ラーシディーン地区、ライラムーン地区、ザイディーヤ地区、ブスターン・カスル地区、カーディー・アスカル地区、ジュダイダ地区で、シリア軍が「テロ組織」の拠点を正確に空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、マンスーラ村、バンーン・フッス村、ヒルバト・マアースィル村で反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はさらに、ナイラブ航空基地西部、クワイリス町などを重点的に空爆した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市内で、シリア軍第4師団、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャーム自由人イスラーム運動などジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(7月7日付)によると、ザバダーニー市一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、マガル・ミール村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマダーヤー村を空爆し、子供3人を含む11人が死亡した。
シリア軍はまた、タマーニア町を「樽爆弾」などで空爆した。
一方、SANA(7月7日付)によると、アブー・ズフール航空基地一帯、バシュラームーン村、ジスル・シュグール市、カンスフラ村をシリア軍が空爆し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、ARA News(7月7日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線は、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員との戦闘の末にザバダーニー市のジャムイーヤート地区を奪還したと発表した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヨルダン国境に面するナスィーブ村を空爆し、女性、子供を含む6人が死亡した。
また、ジハード主義武装集団はダルアー市マンシヤ地区でシリア軍戦車を攻撃、同市東部一帯で交戦した。
シリア軍は、ヌアイマ村などに対しても「樽爆弾」で空爆を行った。
一方、SANA(7月7日付)によると、ダルアー市カラク地区など各所、ヌアイマ村、ガラズ刑務所一帯、ナスィーブ村、ウンム・マヤーズィン町、ハッラーブ・シャフム村、アトマーン村、シャイフ・マスキーン市などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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クナイトラ県では、SANA(7月7日付)によると、マスハラ村、ハミーディーヤ村北部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、フルカーン旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラタキア県では、SANA(7月7日付)によると、ダルーシャーン村、ダッラ村、ラビーア町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ヒムス県では、SANA(7月7日付)によると、タッルドゥー市、ハウラ地方、ラスタン市、ワアラ村、アブー・ジャリース村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団、ファールーク旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, July 7, 2015、AP, July 7, 2015、ARA News, July 7, 2015、Champress, July 7, 2015、al-Durar al-Shamiya, July 7, 2015、al-Hayat, July 8, 2015、Iraqi News, July 7, 2015、Kull-na Shuraka’, July 7, 2015、al-Mada Press, July 7, 2015、Naharnet, July 7, 2015、NNA, July 7, 2015、Reuters, July 7, 2015、SANA, July 7, 2015、UPI, July 7, 2015などをもとに作成。
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