有志連合がシリア北部でダーイシュ(イスラーム国)に対して集中的に爆撃を実施し、78人を殲滅(2015年7月7日)

シリア人権監視団は、有志連合が、アレッポ県スィッリーン町一帯からラッカ県アイン・イーサー市を経由し、ハサカ県ハサカ市郊外のアブドゥルアズィーズ山にいたる一帯で進軍を続けるダーイシュ(イスラーム国)に対して集中的な空爆を行い、ダーイシュ戦闘員78人が死亡したと発表した。

また西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、有志連合の空爆の援護を受けて、ラッカ県のシャルシャラーク村などアイン・イーサー市郊外の10カ村を制圧した。

人民防衛隊はまた、6日にダーイシュが完全制圧したアイン・イーサー市に再突入し、ダーイシュと交戦し、多数の戦闘員(シリア人権監視団によると、人民防衛隊が収容した戦闘員の遺体数は32体、ダーイシュがラッカ市に搬送した遺体が数十体)を殲滅したという。

しかし、クッルナー・シュラカー(7月7日付)は、ダーイシュのアアマーク通信の情報として、ダーイシュがアブドゥルアズィーズ山一帯での人民防衛隊との戦闘で、複数の検問所など拠点を制圧した、と伝えた。

なお、米中央軍(CENTCOM)は、7月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は11回におよび、ハサカ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(3回)、タッル・アブヤド市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

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スイスの国営テレビSRFは、元キック・ボクシングの世界王者でアルバニア系ドイツ人のヴァルデト・ガシ氏(29歳)が4日にシリアで死亡したと報じた。

ガシ氏は家族とともにシリアに入り、ジハード主義武装集団に参加していたとされる。

ロイター通信(7月7日付)などが伝えた。

AFP, July 7, 2015、AP, July 7, 2015、ARA News, July 7, 2015、Champress, July 7, 2015、al-Hayat, July 8, 2015、Iraqi News, July 7, 2015、Kull-na Shuraka’, July 7, 2015、al-Mada Press, July 7, 2015、Naharnet, July 7, 2015、NNA, July 7, 2015、Reuters, July 7, 2015、SANA, July 7, 2015、UPI, July 7, 2015などをもとに作成。

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