ヌスラ戦線の創設者の一人で「シャームの闘争の礎」として知られるサーリフ・ハマウィー氏が「首長国」(イマーラ)樹立に言及した指導者ジャウラーニー氏を批判(2015年7月17日)

シャームの民のヌスラ戦線の創設者の一人で「シャームの闘争の礎」として知られるサーリフ・ハマウィー氏が声明を出し、ハマー県で戦闘員25人がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘拒否を理由に解任されたことに異議を唱えた。

ヌスラ戦線シューラー評議会メンバー、東部砂漠地区司令官(アミール)を努めていたハマウィー氏は、解任決定に関して「政治的なものであり、規則に則ったものではない…。この決定がシューラー評議会によって発せられたとの主張についても私は懐疑的だ。なぜなら、ヌスラ戦線のすべての戦闘員、司令官、そして戦線以外の武装集団は、シューラー評議会が何らの決定も及ぼすことのない想像上のものだということを知っているからだ。常任メンバーの数、名前を誰も知らないし、会合が開かれるたびにメンバーが変わっている」と暴露した。

また、ヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏との関係について、「彼らかメッセージが届いたのは8ヶ月前で、以降、私と彼らの間にメールもやりとりは途絶えてしまった。理由は分からない」としたうえで、「私は組織の広報政策や規律に違反していたが、私を解任するという知らせも受けていない。組織の政策への違反と彼らが言っているものは…、組織そのもの、現場、シャームの民に外をもたらす法的な違反であり、もっとも重要なのは、組織に行き過ぎが生じてしまうことだ」と批判した。

さらに「私は、ジャウラーニー氏が「イマーラ」(首長国)樹立を公言したことが漏れ伝わって以来、組織を去ることを決意していた…。この言葉が漏れ伝わって以降、私はこの発言を公の場で批判してきた。これが私と彼の最初の真の対立の発端だった」と述べた。

また解任決定が、「外からの圧力」によるものだったと示唆したうえで、「ヌスラ戦線は母体であるアル=カーイダの組織に回帰し、ダーイシュ(イスラーム国)のような政策を法規すべきだ。ヌスラ戦線はダーイシュの影響をあまりにも受けてしまっている」と述べた。
『ハヤート』(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2015、AP, July 17, 2015、ARA News, July 17, 2015、Champress, July 17, 2015、al-Hayat, July 18, 2015、Iraqi News, July 17, 2015、Kull-na Shuraka’, July 17, 2015、al-Mada Press, July 17, 2015、Naharnet, July 17, 2015、NNA, July 17, 2015、Reuters, July 17, 2015、SANA, July 17, 2015、UPI, July 17, 2015などをもとに作成。

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