ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣はエジプトのナハール・チャンネル(8月20日付)のインタビューに応じ、シリア情勢に関して「我々の問題は、シリア領内に、チェチェン人、英国人などさまざまな国籍の外国人テロリストがいることで生じている」と述べた。
ムアッリム外務在外居住者大臣は、トルコとの関係悪化の理由について、「2011年にアフメト・ダウトオール外務大臣(当時)が、シリア・ムスリム同胞団との権力分有を明確に要求したことをシリア指導部が拒否したことが対立の原因だ」と述べた。
そのうえで、「なぜトルコは、テロリストがシリア領内に入ることを許す一方で、米国は彼らのためにトルコ領内に軍事教練キャンプを設営するのか? イスラエルはこうしたなかでシリアで流される血に対して喝采を浴びせている」と、トルコや米国の姿勢を非難した。
一方、イラン、ヒズブッラーとの関係については「我々とイラン、ヒズブッラーの関係は、イスラエルに対する一致団結した姿勢ゆえに、一部の者に懸念を抱かせている」と述べた。
また「アラブの春」については、「春ではない。なぜなら春とはその後に実りがもたらされるからだ。いわゆる「アラブの春」によって何が生じたか見てみよう。我々は互いを破壊し合い、イスラエルが我々に喝采を浴びせている…。外国や一部のアラブ諸国が武器を供与することで生じているテロに基づいた変革など生じ得ない。変革とは改革に向けた国民どうしの国内での対話によってのみ生じる」と強調した。
AFP, August 20, 2015、Alnahar Channe, August 20, 2015、AP, August 20, 2015、ARA News, August 20, 2015、Champress, August 20, 2015、al-Hayat, August 21, 2015、Iraqi News, August 20, 2015、Kull-na Shuraka’, August 20, 2015、al-Mada Press, August 20, 2015、Naharnet, August 20, 2015、NNA, August 20, 2015、Reuters, August 20, 2015、SANA, August 20, 2015、UPI, August 20, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.