米トルコが設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」西部に位置するアフリーン地区では、アル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」からなる連合組織がYPGと停戦合意(2015年12月3日)

ARA News(12月3日付)は、アレッポ県アフリーン市一帯で戦闘を続けていた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊と、アル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」の連合組織アレッポ・ファトフ軍作戦司令室が停戦合意したと伝えた。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室を主導するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動クルド・イスラーム戦線のアブー・ハムザ・クルディー広報官によると、停戦合意は人民防衛隊自衛委員会、アレッポ・ファトフ軍に所属するヤースィル・アブドゥッラヒーム司令官指揮下の「自由シリア軍」(マーリア作戦司令室)の間で交わされ、戦闘停止を受けて、住民の帰宅、捕虜交換などについての協議を進めるという。

なおアレッポ・ファトフ軍作戦司令室の所属組織は以下の通り:シャーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、シャーム軍団、シャーム革命家、「命じられたままに正しく進め」連合、カリフの暁大隊、ヌールッディーン・ザンキー運動、ムジャーヒディーン軍、スンナ軍、アブー・アマーラ特殊任務中隊、第101師団、第16師団、第13師団、ファトフ旅団、スルターン・ムラード旅団、フルサーン・ハック旅団、ガーブの鷹旅団、ハック旅団、フルカーン旅団、バヤーリク・イスラーム運動、自由旅団、バヤーン運動、アターリブ殉教者旅団、スルターン・ムハンマド・ファトフ旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、イッザ連合、エリート部隊。

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クッルナー・シュラカー(12月4日付)は、この停戦合意の内容に関して、①12月3日午後8時に発効する、②双方のすべての武装集団が衝突地域から撤退する、③人民防衛隊とマーリア作戦司令室からなる事態収拾のための委員会を設置する、といった点を骨子とすると伝えた。

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シリア自由人旅団のアフマド・アファシュ司令官は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室によるアフリーン市郊外一帯での停戦合意に関して、クッルナー・シュラカー(12月4日付)に対し、人民防衛隊への攻撃は停止しているとしつつ、停戦合意そのものは遵守しないと述べた。

AFP, December 3, 2015、AP, December 3, 2015、ARA News, December 3, 2015、Champress, December 3, 2015、al-Hayat, December 4, 2015、Iraqi News, December 3, 2015、Kull-na Shuraka’, December 3, 2015、December 4, 2015、al-Mada Press, December 3, 2015、Naharnet, December 3, 2015、NNA, December 3, 2015、Reuters, December 3, 2015、SANA, December 3, 2015、UPI, December 3, 2015などをもとに作成。

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