ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門の一つフルカーン広報制作機構は、インターネットを通じてアブー・バクル・バグダーディー指導者の音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=DYRNA6-Qsl4)を配信した。
「それであなたがたは待ちなさい。わたしたちもあなたがたと共に待つものである」(9:52)と題された約25分の声明でバグダーディー氏は、サウジアラビアが結成を発表したアラブ・イスラーム諸国34カ国からなる対テロ軍事同盟を指弾し、イラク、シャーム、イエメンをはじめとするすべての場所を救済するようイスラーム教徒に呼びかけた。
バグダーディー氏は「背教国家が今日のようにイスラーム教徒と戦うために同盟したことはこれまでになかった。我々に対して背教国家が同盟を作ったことは、イスラーム国(ダーイシュ)が信仰の頂点をなし、戦いの陣頭指揮を執っていることを如術に示すものだ」としたうえで、「もしこの同盟がイスラーム的なものであり、シーア派や無神論者であるクルド人と戦っていたら、共産主義の中国がこの同盟を支持してはいなかったろう。またその目的はパレスチナ解放に向けられただろう。ユダヤ人は我々がパレスチナを忘れてしまったと考えている。しかしそんなことはない。我々はいずれ、アッラーのお許しのもと、パレスチナに戻ってくる」と主張した。
そのうえで「イスラーム教徒のなかには、これがイスラーム教やイスラーム教徒に対する戦争ではないと考えている者がまだいる。しかし、このように考えている者はどれほどの過ちを犯していることか」と強調、「二大聖地の民」に対してサウジアラビアの既存の体制に立ち向かうよう呼びかけた。
AFP, December 26, 2015、AP, December 26, 2015、ARA News, December 26, 2015、Champress, December 26, 2015、al-Hayat, December 27, 2015、Iraqi News, December 26, 2015、Kull-na Shuraka’, December 26, 2015、al-Mada Press, December 26, 2015、Naharnet, December 26, 2015、NNA, December 26, 2015、Reuters, December 26, 2015、SANA, December 26, 2015、UPI, December 26, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.