ロシア外務省は、アレッポ県北部の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の制圧地域に対するトルコ軍の越境砲撃に関して声明を出し、「シリアでのトルコの敵対行為に深刻な懸念」を表明、「国際テロへのあからさまな支援であり、国連安保理決議とISSG(国際シリア支援グープ)参加国としての義務への違反」と非難した。
そのうえで「中東内外の平和と安全を脅かすトルコの挑発行為を的確に評価するため、本件を国連安保理で審議することを支持する」と付言した。
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一方、ゲンナージー・ガティロフ外務次官はドイツ紙『シュピーゲル』(2月15日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して「バッシャール・アサドが権力の座から去れば、シリアは完全に解体するだろう」と警鐘を鳴らした。
ガティロフ外務次官はまた「米国はこのことを理解するようになった…。アサド氏はシリアの正統な大統領だ。米国は我々に何度も誰がシリアを支配するのかを決めようと言ってきたが、我々はこのようなことを決して行わない。こうした問題はシリア人だけが決め得るものだ」と述べた。
一方、「テロとの戦い」に関しては、「停戦合意が実行されたとしても、テロリストに対する戦いは続けられる…。テロ組織への空爆はどんな状況下でも続くだろう。停戦は対話に関心がある者どうしの間でだけ行われるもので、テロリストとの停戦はない」と強調した。
AFP, February 15, 2016、AP, February 15, 2016、ARA News, February 15, 2016、Champress, February 15, 2016、al-Hayat, February 16, 2016、Iraqi News, February 15, 2016、Kull-na Shuraka’, February 15, 2016、al-Mada Press, February 15, 2016、Naharnet, February 15, 2016、NNA, February 15, 2016、Reuters, February 15, 2016、SANA, February 15, 2016、UPI, February 15, 2016などをもとに作成。
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