米中央軍(CENTCOM)は、4月3日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。
このうちシリア領内での空爆は14回で、ハサカ市近郊(1回)、フール町近郊(6回)、ラッカ市近郊(3回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、イドリブ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。
このうちイドリブ市近郊の空爆は「ダーイシュ(イスラーム国)の大規模戦略部隊を標的とし、建物2棟を破壊した」と発表された。
しかし、2015年9月30日にロシア軍がシリア領内での空爆を実施して以降、米政府をはじめ西側諸国の政府(そして一部メディア)は、イドリブ県はダーイシュの支配地域ではないと繰り返し主張していた。
また、有志連合がイドリブ県を空爆することは極めて異例で、これに関して『ハヤート』(4月5日付)は、米高官の話(3日)として、カフル・ジャーリス村のシャームの民のヌスラ戦線の本部に対する空爆の背後に米軍がいると伝えた。
この空爆では、ヌスラ戦線の司令官の一人でシューラー評議会メンバーのアブー・ファーリス・スーリー氏と同氏の息子を含むメンバー複数人が死亡したという。
AFP, April 4, 2016、AP, April 4, 2016、ARA News, April 4, 2016、CENTCOM, April 4, 2016、Champress, April 4, 2016、al-Hayat, April 5, 2016、Iraqi News, April 4, 2016、Kull-na Shuraka’, April 4, 2016、al-Mada Press, April 4, 2016、Naharnet, April 4, 2016、NNA, April 4, 2016、Reuters, April 4, 2016、SANA, April 4, 2016、UPI, April 4, 2016などをもとに作成。
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