西側諸国は人道支援物資の空からの投下を求めるデミストゥラ特別代表の提案に対し国連安保理で消極姿勢を示す(2016年5月27日)

国連安保理で、シリア情勢への対応を協議するための非公式会合が開かれた。

会合には、スイスの首都ジュネーブからスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がビデオ会議システムで参加、シリア政府と反体制派の和平協議の進捗などについて報告した。

『ハヤート』(5月28日付)によると、米国、英国、フランスといった西側諸国は会合で、人道支援物資を空から投下することが「困難、複雑、そして費用がかかる」とし、デミストゥラ国連特別代表の案に消極的な姿勢を占めす一方、ロシアに対して、人道支援物資の陸路での搬送をシリア政府に認めさせるべく圧力をかけるよう要請したという。

一方、SANA(5月27日付)によると、会合でシリアのバッシャール・ジャアラフィー国連代表は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線と共闘するシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍を、アル=カーイダおよび関連組織に対する国連安保理の制裁委員会が定める制裁対象リストに追加するよう求めたロシアの提案を拒否した国々(米英仏など)が、シリア国民に対して不当な措置を講じていると指摘、これを非難した。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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