ヌスラ戦線幹部はアル=カーイダとの絶縁の是非をめぐって審議:「絶縁はシャームの民に利益をもたらす」「絶縁すれば外国人戦闘員はダーイシュに移籍する」(2016年7月25日)

クッルナー・シュラカー(7月25日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の広報局メンバーの一人アブー・ウマル・ダイリー氏の話として、ヌスラ戦線のシューラー評議会が数日前に複数回にわたり会合を開き、アル=カーイダとの関係解消について審議したと伝えた。

ダイリー氏によると、会合はイドリブ県内某所で、ヌスラ戦線の幹部、司令官(アミール)、法学者が一堂に会して行われ、そのなかでダイル・ザウル方面の前司令官アブー・ムハンマド・シャルイー氏は「指導者らがアル=カーイダとの関係解消を決断することは、シャームの民の不利益を解消する…ための急務で、そうすることでイスラーム教徒そしてシャームの民に利益がもたさされる」と主張したという。

これに対して、アブー・アブドゥルッラー・アンサーリー氏は、ヌスラ戦線がアル=カーイダとの関係を絶てば、一部のムハージリーン(外国人戦闘員)が、ダーイシュ(イスラーム国)やジュンド・アクサー機構に移籍してしまうとの懸念を表明、アル=カーイダとの絶縁が「背教」(リッダ)にあたるとの見解を示した。

AFP, July 25, 2016、AP, July 25, 2016、ARA News, July 25, 2016、July 26, 2016、Champress, July 25, 2016、al-Hayat, July 26, 2016、Iraqi News, July 25, 2016、Kull-na Shuraka’, July 25, 2016、al-Mada Press, July 25, 2016、Naharnet, July 25, 2016、NNA, July 25, 2016、Reuters, July 25, 2016、SANA, July 25, 2016、UPI, July 25, 2016などをもとに作成。

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