ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と米国のジョン・ケリー国務長官が電話会談を行い、シリア情勢への対応について協議した。
ロシア外務省の発表によると、電話会談でラブロフ外務大臣は、米国が支援する「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動が行ったとされるアレッポ市での有毒ガスによる攻撃に関して、「民間人に有毒ガスを使用するシリアの過激派への戦闘に重点を置くべき」と伝えたという。
一方、バラク・オバマ米大統領は国防総省での軍幹部との2時間におよぶ会合後、シリア情勢に関して「ロシア、そしてプーチン大統領を信頼できる確証がない。だから、我々は敵対行為の実質的停止の可否を評価せねばならない」と述べた。
そのうえで、シリア政府が敵対行為停止合意を遵守していないと批判、「アサド政権の野蛮さが人々を過激派の腕のなかへと追いやっている…。ロシアはそれには対処できない。なぜならロシアがそうすることを望んでいないから、ないしはアサドに十分な影響力を行使できないからだ。これが我々の評価だ」と付言した。
この発言を受け、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、タス通信(8月5日付)に対して「米国が誠実さと責任感をもって両国間のアジェンダに対処しなければ、ロシアと米国の信頼関係は回復できない…。米国はシリアの問題をめぐって話す際、パートナーとは思えない振る舞いをすることがある」と批判した。
AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、TASS, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。
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