シリア軍がアレッポ市南西部で支配地域を拡大するなか、反体制派はアレッポ市東部でシリア軍が塩素ガスを使用したと主張し対抗(2016年9月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部のズィヤーラ村を砲撃、戦闘機およびヘリコプターがアナダーン市、フライターン市を空爆する一方、ファトフ軍はウンム・カルア丘のシリア軍拠点を砲撃した。

シリア軍、ヒズブッラー戦闘員などシリア人・外国人の戦闘員はまた、アレッポ市ラームーサ地区と第1070集合住宅地区を結ぶ回廊一帯で、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルキスターン・イスラーム党、ウズベク人戦闘員と交戦した。

戦闘はアレッポ市南端のアーミリーヤ地区、ラームーサ地区にも及び、ARA News(9月6日付)によると、シリア軍はアレッポ市南端のアーミリーヤ地区を制圧した。

一方、クッルナー・シュラカー(9月6日付)、ARA News(9月6日付)などによると、民間防衛隊(いわゆる「ホワイト・へメット」など)アレッポ市内東部で活動を続ける反体制活動家らは、同市スッカリー地区でシリア軍が塩素ガスを装填した爆弾を投下し、80人以上が中毒症状を訴えたと主張した。

Kull-na Shuraka', September 6, 2016

Kull-na Shuraka’, September 6, 2016

シリア人権監視団が7日に発表したところによると、この攻撃で1人が中毒症状により死亡したという。

なお『ハヤート』(9月8日付)によると、シリア軍消息筋は塩素ガスの使用を否定している。

他方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がハーン・トゥーマーン村、マアッラーター村、カフルは村々、フライターン市でファトフ軍の拠点や車列を空爆した。

シリア軍はまたアレッポ市南西部郊外の士官学校一帯で反体制武装集団と戦闘を続けた。

これに対し、反体制武装集団は、アレッポ市アアザミーヤ地区を砲撃し、女性1人と子供2人を含む6人が死亡した。

このほか、イラク人民兵組織のヌジャバー運動広報局は、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官がアレッポ市南部郊外を訪問したと発表、その写真を公開した。

Kull-na Shuraka', September 6, 2016

Kull-na Shuraka’, September 6, 2016

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、マアルダス村一帯で、シリア軍、国防隊がジュンド・アクサー機構、イッザ軍などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がマアルダス村内でファトフ軍と交戦、同村西部地区を奪還した。

シリア軍はまたハッターブ村北部のバティーシュ農場一帯も制圧、マアーン村一帯に進攻しようとした反体制武装集団を撃退した。

シリア軍航空部隊も、マアルダス村、スーラーン市、ハルファーヤー市、ラターミナ町、マアーン村北部、バッザーム丘、アースィー川一帯のファトフ軍拠点を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がガルナータ村を空爆市、2人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市近郊のリーハーン農場を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がナブア・サフル村西方で反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がタマーニア町、アブー・ズフール町でファトフ軍の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(9月6日付)によると、シリア軍がダルアー市マハッタ地区などで反体制武装集団と交戦した。

AFP, September 6, 2016、AP, September 6, 2016、ARA News, September 6, 2016、Champress, September 6, 2016、al-Hayat, September 7, 2016、September 8, 2016、Iraqi News, September 6, 2016、Kull-na Shuraka’, September 6, 2016、al-Mada Press, September 6, 2016、Naharnet, September 6, 2016、NNA, September 6, 2016、Reuters, September 6, 2016、SANA, September 6, 2016、UPI, September 6, 2016などをもとに作成。

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