アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線が主導する反体制派がアレッポ市西部一帯で攻勢を続け、同地のシリア軍拠点の一つファミリー・ハウス、マンヤーン村を制圧(2016年10月29日)

アレッポ県では、『ハヤート』(10月30日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線が主導するファトフ軍およびアレッポ・ファトフ軍作戦司令室がアレッポ市西部のザフラー協会地区にあるファミリー・ハウス一帯に対して大規模な攻撃を行った。

同地はシリア軍、ヒズブッラーなどの親政権武装勢力の一大拠点。

ドゥラル・シャーミーヤ(10月29日付)によると、この戦闘で、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はファミリー・ハウスの建物群3カ所を制圧したという。

またクッルナー・シュラカー(10月29日付)によると、反体制武装集団は、ファミリー・ハウス地区、アレッポ市西部のマンヤーン村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シャーム・ファトフ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団はまた、アレッポ市西部および南西部の第1070集合住宅計画地区、ダーヒヤト・アサド地区、ハラブ・ジャディーダ地区、ザフラー協会地区、バーズー丘一帯、航空技術科一帯でシリア軍、親政権武装勢力を激しく交戦した。

さらに、ファトフ軍はナイラブ航空基地一帯、アレッポ市東部郊外一帯に対しても砲撃を行ったという。

一方、ARA News(10月29日付)によると、ファトフ軍はアサド軍事アカデミーを砲撃した。

『ハヤート』(10月30日付)によると、「アレッポ市大血戦」には、イドリブ県方面から増援されたファトフ軍戦闘員約1,500人が主導している。

これに対して、SANA(10月29日付)は、反体制武装集団(アレッポ軍、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)がアレッポ市西部のハムダーニーヤ地区、サラーフッディーン地区の住宅街を砲撃し、6人が負傷したと伝えた。

また、シリア軍はアレッポ市西部のファミリー・ハウス一帯、南部のマンヤーン村一帯でシャーム・ファトフ戦線と交戦したという。

Kull-na Shuraka', August 29, 2016

Kull-na Shuraka’, August 29, 2016

Kull-na Shuraka', August 29, 2016

Kull-na Shuraka’, August 29, 2016

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リヤド最高交渉委員会のリヤード・ヒジャーブ委員長はツイッターを通じて、ファトフ軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室によるアレッポ市東部解囲作戦(「アレッポ大血戦」)を激励した。

またシリア革命反体制勢力国民連立のアナス・アブダ代表も「アレッポ大血戦」に歓迎の意を示した。

ARA News, August 29, 2016

ARA News, August 29, 2016

ARA News, August 29, 2016

ARA News, August 29, 2016

 

AFP, October 29, 2016、AP, October 29, 2016、ARA News, October 29, 2016、Champress, October 29, 2016、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2016、al-Hayat, October 30, 2016、Iraqi News, October 29, 2016、Kull-na Shuraka’, October 29, 2016、al-Mada Press, October 29, 2016、Naharnet, October 29, 2016、NNA, October 29, 2016、Reuters, October 29, 2016、SANA, October 29, 2016、UPI, October 29, 2016などをもとに作成。

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