アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党などからなるファトフ軍と、シャーム自由人イスラーム運動やヌールッディーン・ザンキー運動などからなるアレッポ・ファトフ軍作戦司令室が、アレッポ市西部ハムダーニーヤ地区の第3000集合住宅計画地区、アサド軍事アカデミー一帯、ハラブ・ジャディーダ地区などのシリア政府支配地域を迫撃砲弾数十発を無差別に砲撃、同地一帯からザフラー協会地区、アレッポ市南部郊外に至る全長15キロの地域で、シリア軍、ヒズブッラーなどからなる親政権武装勢力と交戦した。
同地に撃ち込まれた迫撃砲は数百発におよぶという。
クッルナー・シュラカー(10月30日付)によると、ファトフ軍は早朝、ハラブ・ジャディーダ地区、第3000集合住宅計画地区に侵攻したという。
侵攻では、シャーム・ファトフ戦線の特攻自爆戦闘員(インギマースィー)複数人が自爆攻撃を行ったという。
ファトフ軍はまた、アズィーザ村、アレッポ市シャイフ・ルトフィー地区一帯でもシリア軍と交戦した。
一方、SANA(10月30日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにアレッポ市南西部郊外のマンヤーン村に侵攻していた反体制武装集団(ファトフ軍)を掃討し、同地を制圧した。
マンヤーン村は29日にファトフ軍によって制圧されていた(しかし、ARA News(10月30日付)によると、ファトフ軍はマンヤーン村の複数カ所を奪還したという)。
シリア軍はまた、アレッポ市ダーヒヤト・アサド地区に侵攻していた反体制武装集団を包囲し、壊滅的打撃を与えたという。
このほか、クッルナー・シュラカー(10月30日付)によると、イスラーム軍の北部地区司令官のアフマド・ニハード・サンダ氏、アブー・アフマド・バーディヤ氏がアレッポ市での戦闘で死亡した。
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シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の最高軍事司令部は声明を出し、アレッポ市東部解放作戦(「アレッポ大血戦」)の第1段階が終了したと発表、第2段階を開始すると宣言した。
声明によると、ファトフ軍は、第1段階でアレッポ市の第3000集合住宅計画地区などを制圧したとしたうえで、同地区、アーミリーヤ地区、ハムダーニーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、スーク・ハール地区、マシャーリカ地区、イザーア地区、サラーフッディーン地区を「軍管区」に指定、攻撃を継続する意思を表明した。
AFP, October 30, 2016、AP, October 30, 2016、ARA News, October 30, 2016、Champress, October 30, 2016、al-Hayat, October 31, 2016、Iraqi News, October 30, 2016、Kull-na Shuraka’, October 30, 2016、al-Mada Press, October 30, 2016、Naharnet, October 30, 2016、NNA, October 30, 2016、Reuters, October 30, 2016、SANA, October 30, 2016、UPI, October 30, 2016などをもとに作成。
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