アレッポ県北部の反体制派の拠点都市アアザーズ市でアル=カーイダ系組織と共闘する「穏健な反体制派」の拠点が爆弾攻撃を受け戦闘員20人以上が死亡(2016年11月17日)

アレッポ県では、ヌールッディーン・ザンキー運動政治局のヤースィル・ユースフ氏がAFP(11月7日付)に明らかにしたところによると、シャーム・ファトフ戦線を含む反体制派の戦略拠点であるアアザーズ市にあるヌールッディーン・ザンキー運動の主要拠点の一つの前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、戦闘員25人が死亡した。

シリア人権監視団によると、爆発はヌールッディーン・ザンキー運動の武器庫前で発生したという。

ヌールッディーン・ザンキー運動は「穏健な反体制派」と目され米国の支援を受けており、アレッポ市東部で籠城を続けるアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加する一方、最近になってアル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍に合流した。

またトルコ軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室にも参加している。

Kull-na Shuraka', November 17, 2016

Kull-na Shuraka’, November 17, 2016

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アアザーズ市地元評議会は声明を出し、すべての武装集団に市外への退去を要求した。

アアザーズ市では最近になって、シャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線の対立が激化している。

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一方、ARA News(11月17日付)によると、アアザーズ市の支配をめぐるシャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線の対立に関して、前者を後援するヌールッディーン・ザンキー運動は、マーリア市に展開する反体制武装集団(マーリア市軍事評議会)を兵力引き離しのために派遣することを拒否した。

なお、シャーム戦線はマーリア市軍事評議会による仲介に歓迎の意を示していた。

AFP, November 17, 2016、AP, November 17, 2016、ARA News, November 17, 2016、Champress, November 17, 2016、al-Hayat, November 18, 2016、Iraqi News, November 17, 2016、Kull-na Shuraka’, November 17, 2016、al-Mada Press, November 17, 2016、Naharnet, November 17, 2016、NNA, November 17, 2016、Reuters, November 17, 2016、SANA, November 17, 2016、UPI, November 17, 2016などをもとに作成。

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