アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部のシャイフ・サイード地区一帯でシリア軍、親政権武装勢力が反体制武装集団(ファトフ軍、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)と交戦した。
両者はまた、アレッポ市北部のブアイディーン地区一帯、ブスターン・バーシャー地区一帯でも交戦を続けた。
シリア軍は、前日に引き続き、アレッポ市東部一帯(サーフール地区などで空爆・砲撃を継続、シャッアール地区、バドルー山地区を「樽爆弾」で空爆し、女性2人を含む4人が死亡した。
アレッポ市東部でシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などのアル=カーイダ系組織と共闘する「穏健な反体制派」の「命じられるまま正しく進め」連合のザカリヤー・マラーヒフジー司令官は、サーフール地区でのシリア軍の空爆・砲撃では、塩素ガスを装填したと思われる砲弾が使用されたと主張、インターネット上では、塩素ガスを吸って死亡したとされる4人の子供の遺体の動画(https://youtu.be/jZ_zHfaKptw)が公開された。
しかし、シリア人権監視団は、同地で有毒ガスが使用されたことは確認できなかったと発表した。
アレッポ市外では、シリア軍がアウラム・クブラー町各所を空爆した。
ARA News(11月20日付)によると、アウラム・クブラー町に対する空爆はロシア軍によるもので、これによってホワイト・ヘルメットのセンターが破壊されたという。
なお、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部一帯でのシリア軍の空爆、砲撃により過去24時間で54人(うち子供8人、女性17人)が死亡したという。
一方、SANA(11月20日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市フルカーン地区の学校を砲撃し、7歳から12歳の児童8人が死亡、27人が負傷した。
また反体制武装集団は法学部一帯、サビール地区、ムーカーンブー地区一帯を砲撃し、2人が死亡、32人が負傷した。
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また、SANA(11月20日付)によると、このほか、アレッポ大学おおよびナーブルス学校で、反体制武装集団によって退去を阻止されているアレッポ市東部の住民との連帯を訴えるデモが行われ、多数の住民が参加した。
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このほか、SANA(11月20日付)によると、反体制武装集団が籠城を続けるアレッポ市東部から一家6人が脱出し、当局に保護され、バアス党アレッポ支部施設でフサイン・ディヤーブ県知事、アフマド・サーリフ・イブラーヒーム・バアス党アレッポ支部書記長らと面談した。
AFP, November 20, 2016、AP, November 20, 2016、ARA News, November 20, 2016、Champress, November 20, 2016、al-Hayat, November 21, 2016、Iraqi News, November 20, 2016、Kull-na Shuraka’, November 20, 2016、al-Mada Press, November 20, 2016、Naharnet, November 20, 2016、NNA, November 20, 2016、Reuters, November 20, 2016、SANA, November 20, 2016、UPI, November 20, 2016などをもとに作成。
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