アレッポ市の停戦を求める国連安保理決議案がロシア、中国の拒否権発動で廃案に(2016年12月5日)

国連安保理は、シリア情勢への対応を協議するための会合を開催した。

会合では、スペイン、エジプト、ニュージーランドが、アレッポ市での停戦を求める安保理決議案を提出したが、採決ではヴェネズエラが反対、アンゴラが棄権、またロシアと中国が拒否権を発動し、廃案となった。

SANA, December 5, 2016

SANA, December 5, 2016

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は、米国、フランス、英国を「シリアのテロ組織を擁護する三銃士」と批判、これらの国に屈することなく、シリア人を守る義務を憲法に則って続行すると表明、決議案に反対の意思を示した。

ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は決議案に関して、米国とロシアの専門家がスイスのジュネーブで協議を予定しているアレッポ市南東部からの反体制武装集団の退去計画に反しかねないとして、米・ロシアの協議が決着するまで賛成できないと述べた。

また、中国の劉結一国連大使は、米国とロシアがシリアの紛争解決に向けた外交努力を継続し、国連はこれを支援すべきだと主張、決議案についてはシリア国内の人道状況を政治化するものだと述べた。

SANA(12月5日付)などが伝えた。

AFP, December 5, 2016、AP, December 5, 2016、ARA News, December 5, 2016、Champress, December 5, 2016、al-Hayat, December 6, 2016、Iraqi News, December 5, 2016、Kull-na Shuraka’, December 5, 2016、al-Mada Press, December 5, 2016、Naharnet, December 5, 2016、NNA, December 5, 2016、Reuters, December 5, 2016、SANA, December 5, 2016、UPI, December 5, 2016などをもとに作成。

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