トルコのユルドゥルム首相はアレッポ市東部から脱出した民間人8万人を「ユーフラテスの盾」作戦で獲得したアレッポ県北部の「安全保障地帯」に受け入れる用意ができていると発表(2016年12月13日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は報道声明を出し、シリア軍が制圧したアレッポ市東部からの脱出した民間人8万人を、「ユーフラテスの盾」作戦を続行するハワール・キリス作戦司令室が制圧したアレッポ県北部の地域に受け入れる用意ができているると発表した。

ユルドゥルム首相はまた、アレッポ市東部でのロシア軍と反体制武装集団の停戦と戦闘員・住民の退去に関する合意に関して、「民間人退去に関する合意が成立したことを確認していないが、ロシア側から聞き及んでいる」としたうえで、「現在までのところ4万人がアレッポ市東部を離れた」と付言、すべての紛争当事者に「シリアでの和平プロセスを準備」するよう呼びかけた。

トルコは2015年8月、米国とアレッポ県北部に「安全保障地帯」を設置することを合意、2016年8月に、ハワール・キリス作戦司令室による「ユーフラテスの盾」作戦を全面支援、同地からダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を排除してきた。

この「安全保障地帯」は、トルコ領内のシリア人難民を押し返すための緩衝地帯としても想定されていた。

ARA News(12月13日付)が伝えた。

AFP, December 13, 2016、AP, December 13, 2016、ARA News, December 13, 2016、Champress, December 13, 2016、al-Hayat, December 14, 2016、Iraqi News, December 13, 2016、Kull-na Shuraka’, December 13, 2016、al-Mada Press, December 13, 2016、Naharnet, December 13, 2016、NNA, December 13, 2016、Reuters, December 13, 2016、SANA, December 13, 2016、UPI, December 13, 2016などをもとに作成。

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