アレッポ市東部、イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの退去作業と並行して、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からのシャーム自由人イスラーム運動、シャーム・ファトフ戦線の戦闘員らの退去の準備本格化(2016年12月19日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部、イドリブ県フーア市、カファルヤー町からの戦闘員、負傷者・重篤患者およびその家族の退去と並行して、シリア軍とヒズブッラーが包囲を続けてきたザバダーニー市、マダーヤー町からの戦闘員および家族の退去に向けた準備が本格化した。

同監視団によると、退去プロセスは、ザバダーニー市、マダーヤー町で籠城を続ける反体制武装集団内における最大勢力のアル=カーイダ系組織シャーム自由人イスラーム運動がイニシアチブを握り、イドリブ県を支配下に置くファトフ軍(シャーム自由人イスラーム運動、シャーム・ファトフ戦線など)と連絡調整を行っているという。

ザバダーニー市、マダーヤー町で籠城を続けてきた戦闘員は、600~650人におよび、そのうちの300人がシャーム自由人イスラーム運動、200人がシャーム・ファトフ戦線、残る100~150人がそれ以外の組織(ハムザ・ビン・アブドゥルムトリブ大隊など)の戦闘員だという。

退去プロセスでは、この戦闘員600~650人とその家族ら1,500人がイドリブ県方面に向かう予定。

AFP, December 19, 2016、AP, December 19, 2016、ARA News, December 19, 2016、Champress, December 19, 2016、al-Hayat, December 20, 2016、Iraqi News, December 19, 2016、Kull-na Shuraka’, December 19, 2016、al-Mada Press, December 19, 2016、Naharnet, December 19, 2016、NNA, December 19, 2016、Reuters, December 19, 2016、SANA, December 19, 2016、UPI, December 19, 2016などをもとに作成。

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