バラダー渓谷で活動するというホワイト・ヘルメットなどが共同声明を出し、シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動へのシリア軍の攻撃でアイン・フィージャ町の水道施設が破壊の危機にあると警鐘を鳴らす(2016年12月26日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、クッルナー・シュラカー(12月25日付)などによると、反体制武装集団がアイン・フィージャ町の水道施設への汚染物質を流し込んだことに端を発するシリア軍、ヒズブッラー戦闘員とジハード主義武装集団からなる反体制武装集団の戦闘が、同市、バスィーマ町、ダイル・ムクリン町などバラダー渓谷一帯で続くなか、

アイン・フィージャ町および同市一帯のバラダー渓谷で活動するというホワイト・ヘルメットなど複数の団体は共同声明を出し、シリア軍の空爆・砲撃によってアイン・フィージャ町の水道施設が破壊の危機に晒されていると警鐘を鳴らした。

Kull-na Shuraka', December 26, 2016

Kull-na Shuraka’, December 26, 2016

共同声明を出したのは、バラダ渓谷地元評議会、バラダー渓谷民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)、バラダー慈善機構、バラダ救援機構、バラダー渓谷地域救援委員会、バラダー渓谷医療委員会、バラダー渓谷広報委員会。

なお、バラダー渓谷一帯でシリア軍、ヒズブッラー戦闘員と交戦しているのは、アル=カーイダ系のシャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などのジハード主義武装集団だという。

一方、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハラスター市、マディーラー市、ドゥーマー市、アルバイン市を空爆し、10人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にとどまるフーア市で、シャーム・ファトフ戦線による自爆攻撃と思われる大きな爆発があった。

また、戦闘機(所属明示せず)がファトフ軍の支配下にあるジスル・シュグール市、ハーン・シャイフーン市一帯を空爆した。

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ハマー県では、SANA(12月26日付)によると、アル=カーイダ系組織シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍がスカイラビーヤ市、ジューリーン村を砲撃し、住民1人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(12月26日付)によると、シリア軍がラスタン市一帯でシャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, December 26, 2016、AP, December 26, 2016、ARA News, December 26, 2016、Champress, December 26, 2016、al-Hayat, December 27, 2016、Iraqi News, December 26, 2016、Kull-na Shuraka’, December 26, 2016、al-Mada Press, December 26, 2016、Naharnet, December 26, 2016、NNA, December 26, 2016、Reuters, December 26, 2016、SANA, December 26, 2016、UPI, December 26, 2016などをもとに作成。

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