ロシア大統領府はシリア領内ないしは近隣諸国で難民収容のための「安全保障地帯」設置をめざすトランプ米政権に不快感を示す(2017年1月26日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ドナルド・トランプ米大統領が、シリア北部での「安全停滞」の設置について検討するよう国務省および国防総省に指示したことに関して、「この問題について米国は我々と協議を行っていない。これは主権に関わる問題だ…。この点の措置がもたらすだろう結果について検討すべき」と不快感を示した。

トランプ大統領はABCニュース(1月25日付)のインタビューで、シリア人難民を収容するため、シリア領内ないしは近隣諸国に安全地帯を設置すると発言していた。

トランプ大統領のインタビューに関して、トルコ外務省報道官は記者会見で、「番組を観た」と述べたうえで、「重要なのはこうした問題を検討することの結果、そしてどのような提言がなされるかだ…。我々は当初から(「安全保障地帯」を提案してきた。ジャラーブルス市がもっとも良い例だ」と述べ、同市をトルコが実効支配(占領)した8月末以降、数千人のシリア人難民が同地に戻ったことを強調した。

一方、カタール外務省のアフマド・ビン・サイード・ルマイヒー広報課長は、トランプ大統領の方針に歓迎の意を表した。

また、英仏の国連代表大使もトランプ大統領の方針に好意的な姿勢を示した。

『ハヤート』(1月27日付)などが伝えた。

AFP, January 26, 2017、AP, January 26, 2017、ARA News, January 26, 2017、Champress, January 26, 2017、al-Hayat, January 27, 2017、Iraqi News, January 26, 2017、Kull-na Shuraka’, January 26, 2017、al-Mada Press, January 26, 2017、Naharnet, January 26, 2017、NNA, January 26, 2017、Reuters, January 26, 2017、SANA, January 26, 2017、UPI, January 26, 2017などをもとに作成。

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