バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団が、中断していた反体制派代表団との和平協議「ジュネーブ5会議」(ジュネーブ4会議第2ラウンド)に出席するため、スイスを訪問し、ジュネーブの国連本部でスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談した。
会談後の記者会見で、ジャアファリー氏は、ダマスカス県東部のジャアバル区一帯でのシャーム解放機構、ラフマーン軍団、イスラーム軍の攻勢について触れ、こうした攻撃がジュネーブやアスタナ(カザフスタン)での和平協議のたびに激化していると非難、その背後にトルコの諜報機関がいると断じた。
そのうえで、デミストゥラ氏との会談では、「テロとの戦い」という「ジュネーブ5会議」における第4の議題について集中的に意見を交わしたことを明らかにした。
一方、ラッカ市をめぐる攻防戦に関して、ジャアファリー氏は「米国、あるいはトルコの支援を受けて行われるラッカ市でのダーイシュ(イスラーム国)に対する攻撃は、バッシャール・アサド大統領との連携がなされない限り、合法的ではない」と述べた。
SANA(3月24日付)が伝えた。
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『ハヤート』(3月25日付)によると、「ジュネーブ5会議」に参加する反体制派の一つの最高交渉委員会の代表団の団長を務めるナスル・ハリーリー氏は、国連安保理決議第2254号や2012年のジュネーブ合意に基づき、「政治移行とそれに関連する事柄、つまり…新憲法、選挙実施に(議論を)集中させねばならない」と述べた。
AFP, March 24, 2017、AP, March 24, 2017、ARA News, March 24, 2017、Champress, March 24, 2017、al-Hayat, March 25, 2017、Iraqi News, March 24, 2017、Kull-na Shuraka’, March 24, 2017、al-Mada Press, March 24, 2017、Naharnet, March 24, 2017、NNA, March 24, 2017、Reuters, March 24, 2017、SANA, March 24, 2017、UPI, March 24, 2017などをもとに作成。
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