シリア軍武装部隊総司令部「米国のミサイル攻撃への報復として、米国のパートナーによるテロを掃討する」(2017年4月7日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、7日午前3時42分、米軍がトマホーク巡航ミサイルで、ヒムス県南東部のシャイーラート航空基地一帯に対して攻撃を加え、6人が死亡、多数が負傷し、甚大な物的被害が生じたと発表した。

声明では「非難に値する米国の攻撃は、米国の誤った戦略が継続されていることを示しており…、米国をダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)などのテロ組織のパートナーとするものだ」と非難した。

また、「米国は、真実を承知しないままに、シリア軍がハーン・シャイフーン市で化学兵器を使用したというこじつけとねつ造した口実で、この違反を正統化した。テロ組織に戦場で大敗を喫する度に、今後も化学兵器を使えるという誤ったメッセージを送るもの」と位置づけたうえで、対抗措置として「シリア国民を守るための国民的義務を引き続き果たし、テロを一掃し、シリア全土に治安と安定を回復するための計画を推敲する」と締めくくった。

そのうえで「シリア・アラブ共和国は、シリア軍がそもそも化学兵器を保有しておらず、こうした兵器をテロ組織に対する作戦において使用したことがないと明言する」と改めて嫌疑を否定した。

また「非難に値する米国の攻撃は、米国が言うところの穏健な反体制武装勢力に対してあらゆる支援を行うことで6年前に開始された米国の誤った戦略そのものの一環で…、この戦略はシリア軍やその同盟国が行う「テロとの戦い」に悪影響を及ぼし、米国をダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線(現シャーム解放機構)などのテロ組織のパートナーとするもの」と非難した。

SANA, April 7, 2017

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なお、クッルナー・シュラカー(4月7日付)によると、死亡した6人のなかにはハリール・イブラーヒーム准将も含まれているという。

AFP, April 7, 2017、AP, April 7, 2017、ARA News, April 7, 2017、Champress, April 7, 2017、al-Hayat, April 8, 2017、Iraqi News, April 7, 2017、Kull-na Shuraka’, April 7, 2017、al-Mada Press, April 7, 2017、Naharnet, April 7, 2017、NNA, April 7, 2017、Reuters, April 7, 2017、SANA, April 7, 2017、UPI, April 7, 2017などをもとに作成。

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