ヒムス県ハスヤー町で爆弾テロが発生し民間人多数が死傷する一方、シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団とハマー県、ダルアー県、ダマスカス県、ラタキア県などで戦闘を続ける(2017年4月8日)

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、ハスヤー町で業務用バスに仕掛けられていた爆弾が爆発し、乗っていた25人が負傷した。

ARA News(4月8日付)によると、女性1人が死亡、25人が負傷したという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、イッザ軍、ナスル軍、ウズベク人、トルキスタン人、コーカサス人などからなる反体制武装集団がマアルダス村近郊の穀物粉砕工場検問所一帯を激しく砲撃し進軍、同地を制圧した。

これに対して、シリア軍はスーラーン市、マアルダス村、マアルカバ村一帯を戦闘機、ヘリコプターで空爆した。

シリア軍はまた、ズーワール村一帯を空爆したほか、タイバト・イマーム市を砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、ロシア軍戦闘機が北部のラターミナ町に対してナパーム弾と思われる爆弾を使用して空爆を実施した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が地対地ミサイルと思われる砲弾でダルアー市マンシヤ地区一帯を砲撃、また戦闘機がブスル・ハリール市、タイバ町を空爆した。

空爆は、ヨルダン国境沿いのナスィーブ村に対しても行われ、女児1人が死亡した。

また、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、シャーム解放機構などからなる堅固な建造物作戦司令室がダルアー市マンシヤ地区でシリア軍との交戦の末、Syriatel検問所など拠点5カ所制圧、兵士4人を捕捉した。

一方、SANA(4月8日付)によると、UNESCO世界遺産を擁するブスラー・シャーム市にあるシャーム解放機構などの反体制武装集団の拠点をシリア軍が攻撃した。

シリア軍はまたダルアー市各所でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。 

Kull-na Shuraka’, April 8, 2017

Kull-na Shuraka’, April 8, 2017

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカーブーン区への砲撃を行った。

また、クッルナー・シュラカー(4月8日付)によると、シャーム解放機構などとともにカーブーン区でシリア軍との戦闘を続けるイスラーム軍がシリア軍の小型偵察機(無人航空機)を撃墜した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市南部のマンスーラ村を空爆した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカッバーナ村一帯の回廊地帯を空爆、シャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党などからなる反体制武装集団とシリア軍がトルクメン山一帯で交戦した。

AFP, April 8, 2017、AP, April 8, 2017、ARA News, April 8, 2017、Champress, April 8, 2017、al-Hayat, April 9, 2017、Iraqi News, April 8, 2017、Kull-na Shuraka’, April 8, 2017、al-Mada Press, April 8, 2017、Naharnet, April 8, 2017、NNA, April 8, 2017、Reuters, April 8, 2017、SANA, April 8, 2017、UPI, April 8, 2017などをもとに作成。

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