米ホワイト・ハウス高官「シリア軍の化学兵器攻撃をロシアは事前に承知していた」「ロシア軍は化学兵器の被害者が搬送された病院を爆撃し、証拠隠滅を図ろうとした」(2017年4月11日)

AP(4月11日付)、『ワシントン・ポスト』(4月11日付)などは、米ホワイト・ハウス高官の話として、4日にシリア軍がイドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器を使用したとされる事件に関して、ロシアが攻撃を事前に知っていた、と伝えた。

同高官によると、米国はハーン・シャイフーン市での化学兵器使用事件について調査した結果、ロシアがシリア軍による攻撃実施を事前に承知していたとの結論に達したという。

同高官はさらに、ロシア軍の無人航空機が、化学兵器攻撃による被害者が搬送される病院上空を旋回しており、その数時間後に今度はロシア軍戦闘機がこの病院を空爆し、化学兵器使用の証拠を隠蔽しようとしたのだと述べている。

また、ホワイトハウスのジェームズ・S・ブレディ記者会見室でのブリーフィングで、高官(匿名)は、公開されているビデオや画像、レポート、地理空間情報(GEOINT)、通信情報(SIGINT)、犠牲者から採取した物理的サンプルの検査結果から、シリア軍がサリン・ガスによる空爆を行ったことが改めて確認されたと述べた。

そのうえで、シリア人パイロットが操縦するロシア製のSU-22戦闘機がヒムス県シャイーラート航空基地から出撃し、午前6時55分頃にハーン・シャイフーン市上空に飛来、約20分にわたり空爆を行い、塩素ガスではなく、サリン・ガスを装填した爆弾少なくとも1発を投下、また空爆が行われた4日に同基地に化学兵器関連の専門家がいたと述べているという。

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米国家安全保障会議(NSC)は11日、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で行われたシリア軍の化学兵器によるとされる空爆に関する報告書を発表した。

公開されているビデオや画像、レポート、地理空間情報(GEOINT)、通信情報(SIGINT)、犠牲者から採取した物理的サンプルの検査結果から、シリア軍がサリン・ガスを使用したと断定、また「シリア政府とその主要な支援国であるロシアは、今回の攻撃、そしてそれ以前の攻撃でシリア国民に対する化学兵器使用の責任が誰にあるのかをめぐって世界を混乱させようとしてきた」と指摘し、ロシアが、化学兵器使用を隠蔽する情報操作に関与してきたと非難した。

報告書によると、化学兵器を使用した空爆を行ったシリア軍戦闘機は、6時55分にハーン・シャイフーン市に飛来、20分にわたり空爆を行い、被害が報告された直後に現地を離れたという。

また、シャイーラート航空基地には3月末からシリアの化学兵器担当者らが詰め、攻撃を準備していたと指摘している。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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