ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣はロシアを訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、米国によるシリアへのミサイル攻撃などへの対応について協議した。
ムアッリム外務在外居住者大臣には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ムクダード副大臣らも同行した。
SANA(4月13日付)によると、ムアッリム外務在外居住者大臣は会談で、米国によるミサイル攻撃を「敵対行為」、「国際法違反」、ジュネーブ会議やアスタナ会議といった和平協議を「反故にしようとする行為」と非難した。
また、ミサイル攻撃の根拠となったイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑に関しては、化学兵器禁止機関に、公正且つ中立的でバランスのとれた調査委員会を設置し真相究明を行うよう求めたことを明らかにした。
これに対して、ラブロフ外務大臣も「化学兵器禁止機関と独立した専門家による客観的で独立した調査が必要と強く考えている」とシリア側に伝えたという。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、バングラデシュ外相との会談後の記者会見で、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に発生した化学兵器攻撃疑惑事件に関して、米国のレックス・ティラーソン米国務長官との12日の会談で、化学兵器禁止機関や、ロシア、欧米諸国などの専門家からなる専門家チームの設置と真相究明調査の実施を提案し、合意に達したことを明らかにした。
AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。
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