アスタナ4会議に参加していたロシアの代表団を率いるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、4日にトルコ、イランの代表団とともに署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」)に関して、設置される「安全地帯」(緊張緩和地帯)において、「米主導の有志連合の活動は排除される」と述べ、同地上空の飛行は認めないとの見方を示した。
ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使はまた「有志連合の飛行禁止は、(緊張緩和地帯設置にかかる)覚書には明記されていない。だが、これらの地帯は今後、有志連合が事前通告しようがしまいが閉鎖される。この問題は終了済だ」と付言した。
そのうえで「保障国(ロシア、トルコ、イラン)は有志連合の活動を重点的に監視し…、シリアにおいて有志連合に認められる空爆の標的は、ラッカ、ユーラテス川河畔の町々、ダイル・ザウルにおけるダーイシュ(イスラーム国)の拠点、そしてイラク領内のみとなる」と述べた。
一方、「安全地帯」の設置について、「国連安保理の合意を得る必要はない」としつつも、ロシア、トルコ、イランは「安保理に報告を行い…、間違いなく安保理の協力を得ることになろう」と述べた。
ARA News(5月5日付)、『ハヤート』(5月6日付)が伝えた。
AFP, May 5, 2017、AP, May 5, 2017、ARA News, May 5, 2017、Champress, May 5, 2017、al-Hayat, May 6, 2017、Kull-na Shuraka’, May 5, 2017、al-Mada Press, May 5, 2017、Naharnet, May 5, 2017、NNA, May 5, 2017、Reuters, May 5, 2017、SANA, May 5, 2017、UPI, May 5, 2017などをもとに作成。
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