ロシアのラヴロフ外務大臣「反体制派は東グータ地方の住民の退去を阻止している」(2018年2月28日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでの国連人権理事会で、「ロシアとシリア政府は東グータ地方に安全回廊を設置した。また、この地域一帯の反体制派支配地域には検問所が設置されている…。今度は反体制派武装集団、そして彼らを支援する当事者が行動する番だ」と述べた。

また「東グータ地方を拠点としている武装集団は、首都ダマスカスへの砲撃を続け、人道支援の搬入と希望者の退去を阻止している」と批判した。

その後、記者団に対して、イスラーム軍、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)、ラフマーン軍団が、国連安保理にダマスカス郊外県東グータ地方からシャーム解放機構の戦闘員とその家族を退去させると誓約したことに関して、「ロシアは戦闘員の東グータ地方からの退去に反対しない…。彼らを他の場所に移送できるのなら、我々は反体制派しない」と述べた。

ラブロフ外務大臣はまた「我々はこの点に関して可能な解決策を検討する用意がある。アレッポ市東部の問題が解決した際にも、戦闘員が家族とともに自発的に退去した」と付言した。

ラブロフ外務大臣はさらに、「米国とその同盟国は、シリア政府が有毒ガスを使用しているという根も葉もない話を利用し、シリアに政治的に敵対しようとしている」と反論した。

RT(2月28日付)が伝えた。

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米国のロバート・ウッド国連軍縮大使は、ラブロフ外務大臣の演説の直前に、ロシアがシリアのアサド政権による化学兵器の再使用を阻止していないと批判していた。

ウッド国連軍縮大使はまた、「ロシアはシリアの化学兵器使用に関して誤った姿勢をとっている」と非難する一方、北朝鮮とシリアの関係に関して「ミサイル、化学兵器の開発に関して両国には長い関係の歴史がある」と述べていた。

AFP, February 28, 2018、ANHA, February 28, 2018、AP, February 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2018、al-Hayat, March 1, 2018、Reuters, February 28, 2018、RT, February 28, 2018、SANA, February 28, 2018、UPI, February 28, 2018などをもとに作成。

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