親政府系日刊紙が「シリアの性同一性障害者が公の場に現れる」と題したレポートを掲載(2018年9月23日)

親政権系の日刊紙『アイヤーム』(9月23日付)は、「シリアの性同一性障害者が公の場に現れる」と題したレポート(アントワーン・バスマジー記者)(http://alayam.sy/2018/09/23/%d8%a7%d9%84%d9%85%d8%ab%d9%84%d9%8a%d9%88%d9%86-%d9%81%d9%8a-%d8%b3%d9%88%d8%b1%d9%8a%d8%a9-%d9%8a%d8%ae%d8%b1%d8%ac%d9%88%d9%86-%d8%a5%d9%84%d9%89-%d8%a7%d9%84%d8%b9%d9%84%d9%86/)を掲載した。

al-Ayyam, September 23, 2018

同レポートによると、シリアの性同一性障害者は、国際的な関心の高まりに呼応するかたちで、自らの存在を公にするようになっているという。

レポートでは、14歳のときに30歳代の隣人に性行為を強要されるなかで、性同一性障害であることを自覚するに至ったというマフムード氏(仮称)の証言、自身が性同一性障害であることを恥じてはいないが、自分を「レインボーブラック」とみなして卑下する社会の目がイヤだ、と述べ、有識者、芸術家、クリエイターらが性同一性障害であることを口外するようになっているとするカラム氏(仮称)の証言を紹介している。

また、SNSを通じて自身が性同一性障害であることを公表する以外にも、性同一性障害であることを隠さずに、首都ダマスカスのスィブキー公園、フォーシーズン・ホテル、カフェ、映画館といった公の場に現れる人も増えているという。

なお、同紙のレポートは「性同一性障害者」(المثليون)という言葉を用いているのに対して、反体制系のドゥラル・シャーミヤ(9月24日付)は、「同性愛者」(الشواذ الجنسيون)という言葉を用いて、このレポートの内容を伝えている。

al-Ayyam, September 23, 2018

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Ayyam, September 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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