シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線の戦闘がイドリブ県、ハマー県にも拡大(2019年1月3日)

イドリブ県では、ANHA(1月3日付)によると、アレッポ県ダーラト・イッザ市一帯で1日からシャーム解放機構と戦闘を続ける国民解放戦線所属のヌールッディーン・ザンキー運動が、シャーム解放機構の支配下にある国境沿いのアティマ村、サルワー村、キーラ村を攻撃し、同地を制圧した。

この戦闘で、アティマ村近郊の避難民キャンプに身を寄せている避難民1人が負傷した。

これに対して、トルキスタン・イスラーム党と新興のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構は、シャーム解放機構を支援するため部隊を派遣した。

また、地元消息筋によると、この戦闘を受けて、シャーム解放機構のメンバー35人が離反、ヌールッディーン・ザンキー運動に加入した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(1月3日付)によると、国民解放戦線所属のシャーム自由人イスラーム運動とシャームの鷹旅団がシャーム解放機構支配下のガドファ村に進攻し、同地を制圧し、シャーム解放機構のメンバー1人を捕捉した。

ANHA, January 3, 2019

この戦闘で、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員1人が死亡、住民複数が負傷したという。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月3日付)によると、シャーム解放機構とヌールッディーン・ザンキー運動がシャフシャブー山一帯でも交戦した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月3日付)、SANA(1月3日付)によると、シャーム解放機構とヌールッディーン・ザンキー運動などからなる国民解放戦線がダーラト・イッザ市一帯で戦闘を続ける一方、ダイル・バッルート村一帯でも交戦した。

また、シャーム解放機構がヌールッディーン・ザンキー運動の支配下にある県西部のバルナター村、マクラビース村を攻撃し、同地を制圧した。

さらに、またアターリブ市近郊のジーナ村でシャーム解放機構とヌールッディーン・ザンキー運動傘下の「シャーム革命家」が交戦したが、地元名士の仲介で戦闘は収束した。

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国民解放戦線は声明を出し、外国人戦闘員に対して危害を加えないと強調、シャーム解放機構に与しないよう求めた。

al-Durar al-Shamiya, January 3, 2019

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「信者を煽れ」作戦司令室に所属する新興のアル=カーイダ系組織アンサール・ディーン戦線のアブー・アブドゥッラー・シャーミー司令官は、テレグラムのアカウントを通じて、戦闘停止を呼びかけた。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月3日付)が伝えた。

AFP, January 3, 2019、ANHA, January 3, 2019、AP, January 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2019、al-Hayat, January 4, 2019、Reuters, January 3, 2019、SANA, January 3, 2019、UPI, January 3, 2019などをもとに作成。

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