YPG主体のシリア民主軍作戦司令官はダーイシュ戦闘員500人をイラク側に引き渡したとの一部情報を否定(2019年2月22日)

ダイル・ザウル県南東部でのダーイシュ(イスラーム国)殲滅を目的とする「テロ撲滅の戦い」を指揮する人民防衛主体(YPG)主体のシリア民主軍のジヤー・フラート作戦司令官は、ダイル・ザウル県のウマル油田で記者会見を開き、シリア民主軍がバーグーズ村拘束したダーイシュ戦闘員(イラク人戦闘員)をイラク当局に引き渡したとの一部情報を否定した。

バーグーズ村では20日、ダーイシュ・メンバーの家族ら1,200人がシリア民主軍によって「解放」される一方、ダーイシュ・メンバー500人以上の投降が合意され、150人以上の投降が完了している。

フラート司令官は、シリア民主軍がバーグーズ村で活動を続けるダーイシュを完全に包囲しているが、ダーイシュが民間人を「人間の盾」として利用しているシリア民主軍の攻撃を阻止しているとしたうえで、「シリア民主軍の唯一、そして基本的な目的、そして優先事項は民間人の解放、彼らがダーイシュ支配地から無事脱出することを保証することだ」と強調した。

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アレッポ県では、ヒエラポリス(2月22日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が1週間前に拘束した青年が拷問を受け死亡した。

AFP, February 22, 2019、ANHA, February 22, 2019、AP, February 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 22, 2019、al-Hayat, February 23, 2019、Hierapolis, February 22, 2019、Reuters, February 22, 2019、SANA, February 22, 2019、UPI, February 22, 2019などをもとに作成。

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