ドナルド・トランプ米大統領が21日にツイッターで「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」と綴ったことに関して、トルコ、西側諸国、国連からの批判が相次いだ。
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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イスラーム協力機構(OIC)の会合で、ドナルド・トランプ米大統領が21日にツイッターで「米国がゴラン高原に対するイスラエルの主権を完全に承認する時が来た」と綴ったことに関して、「ゴラン高原をめぐる(トランプ大統領の)発言は地域を新たな危機の縁に追いやるものだ…。我々はゴラン高原占領が正当化されることを決して許さない」と述べた。
エルドアン大統領はまた「イスラーム世界、そして人類全体の未来に脅威を及ぼす出来事に対して、OICが手をこまねいていることは受け入れられない」と付言した。
アナトリア通信(3月22日付)が伝えた。
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欧州連合外務・安全保障政策上級代表の報道官は「ゴラン高原の帰属に対するEUの姿勢に変更はない。国際法に基づき、1967年にイスラエルが占領した土地へのイスラエルの主権は承認しない」と表明した。
また、ドイツ、フランスの外務省も声明を出し、ゴラン高原がイスラエルの占領地であるとしたうえで、同地へのイスラエルの主権は認めないとの姿勢を示した。
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ファルハーン・ハック国連事務総長副報道官は「国連は、イスラエルによるシリアのゴラン高原占領が国際法違反だとする国連の安保理および総会での諸決議を遵守する…。国連の姿勢はトランプ大統領の発言後も変わるものではない」と述べた。
AFP, March 22, 2019、Anadolu Ajansı, March 22, 2019、ANHA, March 22, 2019、AP, March 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2019、al-Hayat, March 23, 2019、Reuters, March 22, 2019、SANA, March 22, 2019、UPI, March 22, 2019などをもとに作成。
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