ダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍が住民を射殺したのを受け、各地で抗議デモが再燃(2019年5月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(5月9日付)、ユーフラテス・ポスト(5月9日付)が複数の住民筋の話として伝えたところによると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシュハイル村で住民に対して発砲し、6人を殺害、4人を負傷させた。

同情報筋によると、シリア民主軍は、シュハイル村のカトフ地区を2時間以上にわたり包囲、米主導の有志連合ヘリコプター1機を同地を低空で旋回するなか、地区内に突入、住民に対して無差別に発砲、多数の住民を拘束したという。

シュハイル村では、シリア民主軍による住民殺害に対する抗議デモが発生したが、シリア民主軍はこれに対しても発砲し、1人が死亡した。

デモ再発に関して、シリア民主軍交換は匿名を条件にAP(5月9日付)の取材に応じ、「ダイル・ザウル県での抗議行動はシリア政府、その同盟者であるイラン、そしてトルコを利するもので、ダーイシュ(イスラーム国)への勝利を無に帰する」と懸念を表明した。

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また、SANA(5月9日付)が複数の住民筋の話として伝えたところによると、北・東シリア自治局の支配下にあるブサイラ市、ダマーン村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行や犯罪行為に抗議し、同地からのシリア民主軍と米軍の退去を求めるデモが再び発生し、住民が参加した。

同情報筋によると、デモはシリア民主軍がシュハイル村で住民に発砲し、6人を殺害したことを受けて再燃したという。

AFP, May 9, 2019、ANHA, May 9, 2019、AP, May 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 9, 2019、Euphrates Post, May 9, 2019、al-Hayat, May 10, 2019、Reuters, May 9, 2019、SANA, May 9, 2019、UPI, May 9, 2019などをもとに作成。

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