シリアのアル=カーイダとトルコの支援を受ける反体制派がハマー県北部の2カ村を奪還、カフルヌブーダ町の70%再制圧(2019年5月10日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)やANHA(5月10日付)などによると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線が、9日までにシリア軍によって制圧されたカフルヌブーダ町、カルカート村一帯で反転攻勢を激化させ、シリア軍兵士多数を殺傷、バーブ・ターカ村とシャリーア村を奪還した。

反転攻勢では、シャーム解放機構がカフルヌブーダ町、戦車2輌を破壊、3輌を捕獲、シリア軍の上級士官を含む多数の傷兵を殺害したと発表する一方、トルコの支援を受けるシリア解放戦線も戦車1輌を破壊、士官1人と兵士5人を殺害したと発表した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)はターヒル・ウマルを名のるメディア活動家などの情報として、カフルヌブル町一帯での戦闘で、シリア軍将兵50人以上が死亡、100人以上が負傷したと伝えた。

反体制武装集団はまた、8日に制圧されたカフルヌブーダ町で、シリア軍の戦車2輌、軍用車輌2台を破壊、兵士複数を捕捉するなど反転攻勢に出て、その約70%を奪還したと発表、町内の様子を撮影した映像を公開した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア・シリア両軍は、県北部への攻撃を続け、シャリーア村に5回、アンカーウィー村に2回の爆撃を行った。

シリア軍はまたアンカーウィー村に対して集中的な砲撃を加え、砲弾30発あまりを撃ち込んだ。

また、SANA(5月10日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラーヤー村、ザカート村、サイヤード村、アルバイーン村にあるシャーム解放機構などの反体制武装集団の拠点を砲撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がフバイト村に10回、カッサービーヤ村に2回、シャンナーン村に2回、マダーヤー村に2回、サルジャ村に2回の爆撃を行った。

シリア軍もハーン・シャイフーン市を9回、フバイト村を7回、サルジャ村、マダーヤー村、ラカーヤー村に複数回の爆撃を実施するとともに、フバイト村にヘリコプターから「樽爆弾」8発以上を投下した。

さらに地上部隊がハーン・シャイフーン市とフバイト村を結ぶ街道一帯を集中的に砲撃、150発あまりの砲弾を撃ち込むとともに、ハーン・シャイフーン市各所に80発以上、フバイト村に40発以上の砲弾を撃ち込み、多数が死傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)によると、ハーン・シャイフーン市に対するシリア軍の攻撃で民間人3人が死亡、多数が負傷、カフルナブル市でも子供1人と女性1人が死亡、20人以上が負傷した。

またマアッラト・ヌウマーン市でも攻撃で6人が負傷した。

一方、SANA(5月10日付)によると、シリア軍は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市方面からカフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ハマー県北部に移動するシャーム解放機構の動きを補則、これに対して攻撃を加し、多数の戦闘員を殺傷した。

シリア軍はまた、ビダーマー町、カフルナブル市、マアッラトミスリーン市にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がシャンナーン村に2回の爆撃を行った。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(ラタキア県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ラタキア県4件、ハマー県5件)確認した。

AFP, May 10, 2019、ANHA, May 10, 2019、AP, May 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2019、al-Hayat, May 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 10, 2019、Reuters, May 10, 2019、SANA, May 10, 2019、UPI, May 10, 2019などをもとに作成。

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