バチェレ国連難民高等弁務官はダーイシュ外国人戦闘員の家族の国籍剥奪に反対(2019年6月24日)

国連難民高等弁務官のミシェル・バチェレ氏は、ジュネーブでの第41回国連人権理事会の開会式での演説で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーだと疑われている男女、そして子供5万5000人以上がシリア、イラクで逮捕されているとしたうえで、ダーイシュ・メンバーの家族の国籍を剥奪することは受け入れられないと警鐘を鳴らした。

バチェレ氏は、逮捕者のほとんどがシリア人かイラク人のいずれかだとしつつ、「50カ国あまりから来たとされる外国人戦闘員も含まれている…。ダーイシュの外国人戦闘員の家族だと疑われている1万1000人以上が今もシリア北東部のフール・キャンプの劣悪な環境下で拘束されている」と指摘した。

UNICEF(国際連合児童基金)の報告によると、シリアには外国人戦闘員の子供2万9000人がおり、うち3分の2がイラク出身で、12歳に満たないという。

バチェレ氏はまた、ダーイシュ外国人戦闘員や家族の出身国の一部が、彼らの国籍を剥奪し、帰国を阻止しようとしていると非難、「彼らを無国籍にすることは決して受け入れられない選択肢だ。無国籍の子供たちは教育、医療、さらには人間の尊厳にかかわる基本的な必須要素を得ることができなくなる。既に多くの苦しみに直面している子供たちを無国籍にすることは,無責任で酷な行為だ…。国籍剥奪は復讐をもたらしかねない」と警鐘を鳴らした。

そのうえで「開国人家族を祖国に帰さねばならない…。特に子供たちは、深刻な権利侵害を被ってきた。そのなかには、ダーイシュから教育を受けたり、徴兵され、暴力行為を犯した者もいる。もっとも考慮すべきは、彼らを社会復帰させ、保護し、彼らのためになることでなければならない」と訴えた。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: 諸外国の動き パーマリンク