シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県、ラタキア県に対する爆撃を続ける(2019年7月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから61日目となる7月1日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人2人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,085人となった。

うち、536人が民間人(女性105人、子供134人を含む)、707人がシリア軍兵士、838人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は56回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」4発を投下、ロシア軍も4回の爆撃を行った。

またシリア・ロシア両軍の地上部隊による砲撃は470発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村、ハッサーナ村、カフルサジュナ村、マアッルズィーター村、ハーン・シャイフーン市、ラカーヤー・サジュナ村、アービディーン村、バーラ村、カルサア村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、バルユーン村一帯、カンスフラ村、カフルナブル市一帯に対して爆撃を実施するとともに、ハーン・シャイフーン市一帯に機銃掃射を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯の丘陵地帯に「樽爆弾」4発を投下した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がラターミナ町を爆撃した。

またシリア軍地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ハスラーヤー村、アブー・ライーダ村、ズィヤーラ町、タッル・ワースィト村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(ハマー県5件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, July 1, 2019、ANHA, July 1, 2019、AP, July 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 1, 2019、Reuters, July 1, 2019、SANA, July 1, 2019、SOHR, July 1, 2019、UPI, July 1, 2019などをもとに作成。

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