「イランの民兵」所属と思われるドローンがトルコの支援を受ける国民解放戦線の車輌を爆撃し、司令官を殺害(2020年5月25日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから81日目となる5月25日、所属不明の無人航空機(ドローン)による爆撃が1件確認された。
シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)がザーウィヤ山地方のバーラ村近郊でトルコの支援を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)の第1歩兵師団の司令官の車輌を爆撃し、乗っていた司令官を殺害した。

ドローンは「イランの民兵」のものと思われるという。

このほか、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党の活動拠点であるジスル・シュグール市で爆発が発生した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がガーブ平原のアンカーウィー村、クライディーン村を砲撃した。

AFP, May 25, 2020、ANHA, May 25, 2020、AP, May 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 25, 2020、Reuters, May 25, 2020、SANA, May 25, 2020、SOHR, May 25, 2020、UPI, May 25, 2020などをもとに作成。

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