ロシアの仲介でシリア民主軍とシリア軍がアレッポ市からハサカ県ヤアルビーヤ町にいたるM4高速道路全線を再開(2020年5月25日)

SANA(5月25日付)は、イラク国境に面するハサカ県のヤアルビーヤ町からハサカ市を経由し、アレッポ市に至るM4高速道路沿線全域の安全が確保され、民間車輌の往来が再開されたと伝えた。

M4高速道路は、トルコによる「平和の泉」侵攻作戦(2019年10月)を受けて2019年11月に閉鎖された後、2020年1月までにシリア軍が沿線に駐留し、再開されていたが、「トルコの傭兵」の攻撃が続いていた。

一方、ANHA(5月25日付)によると、M4高速道路の全線再開は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とシリア軍が、ロシアを保証国として合意したもので、住民の移動を容易にし、その負担軽減するのが目的。


ANHAによると、高速道路の通行が認められるのは毎日4回。

民間車輌は車列を編成し、午前8時と11時に、ロシア軍憲兵隊の護衛を伴って、ラッカ県のアイン・イーサー市とハサカ県のタッル・タムル町を往来する。

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シリア人権監視団によると、これを受けて、トルコの支援を受ける国民軍はタッル・タムル町一帯からアブー・ラースィーン(ザルカーン)町にいたるM4高速道路沿線から北7キロの地点まで撤退した。

撤退は、2019年10月の「平和の泉」作戦終了時にロシアとトルコが交わした合意に基づくものだという。

AFP, May 25, 2020、ANHA, May 25, 2020、AP, May 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2020、Reuters, May 25, 2020、SANA, May 25, 2020、SOHR, May 25, 2020、May 26, 2020、UPI, May 25, 2020などをもとに作成。

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