シリア軍がハマー県でファトフ軍に対する地上作戦を本格化(2015年10月8日)

ハマー県では、SANA(10月8日付)によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍が県北部一帯(カフルズィーター市、フバイト村)のファトフ軍拠点を空爆し、戦闘員32人を殺害、38人を負傷させ、車輌3輌、迫撃砲3基を破壊した。

しかし、クッルナー・シュラカー(10月8日付)は、反体制武装集団が、カフルヌブーダ町近郊に着陸しようとしたシリア軍のヘリコプターを撃墜し、パイロットが死亡した、と伝えた。

同報道によると、シリア軍は4機のヘリコプターを投入し、カフルヌブーダ町近郊の穀物路一帯で降下作戦を行おうとしていたという。

一方、ガーブの鷹連合のムハンマド・ラシード広報局長は、同連合の戦闘員が中火器を使用して、シリア軍ヘリコプターを撃墜したと発表した。

なお、カフルヌブーダ町一帯では、ヘリコプター墜落を受けるかたちで、シリア軍が迫撃砲、地対地ミサイルで激しい砲撃を行ったという。

しかし、シリア人権監視団によると、シリア軍はアリー・アブドゥッラー参謀長による大規模攻撃開始の発表に合わせるかたちで県北部で攻勢をかけたが、反体制武装集団との戦闘で兵士13人が死亡し、戦車など15輌を破壊されたという。

なお、シリア軍の攻撃に関して、クッルナー・シュラカー(10月8日付)は、シリア軍がガーブ平原のバフサ村、カルクール村、フールー村に進軍を試み、これと合わせてロシア軍が反体制武装集団拠点などを20回以上にわたって空爆したと伝えた。

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ラタキア県では、SANA(10月8日付)によると、ラビーア町近郊で、反体制武装集団が仕掛けようとしていた爆弾が爆発し、サウジアラビア人司令官1人を含む戦闘員20人が死亡した。

しかし、クッルナー・シュラカー(10月8日付)によると、山岳地帯でシリア軍ヘリコプターが墜落したという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルアンジュール村、カフルダブラ村、アイン・ジャウラ村、アイン・サームール村を激しく砲撃し、同地一帯およびジュッブ・ガール村、ジュッブ・アフマル村、シャイフ・ムハンマド丘一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、SANA(10月8日付)によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍がマンスーラ村、アレッポ市西部の科学研究センター一帯を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アレッポ市サラーフッディーン地区、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、カルム・ジャバル地区、ザバディーヤ地区、アシュラフィーヤ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

ARA News(10月9日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ市ブスターン・カスル地区に進攻し、住民らに「無差別」に発砲した。

同地では8日に、住民がヌスラ戦線に反対するデモを行っていたという。

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ヒムス県では、SANA(10月8日付)によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍がサアン・アスワド村北部で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、ハイト村でハラマイン旅団司令官のムハンマド・アフマド・サフーリー氏の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、サフーリー氏は死亡した。

AFP, October 8, 2015、AP, October 8, 2015、ARA News, October 8, 2015、October 9, 2015、Champress, October 8, 2015、al-Hayat, October 9, 2015、Iraqi News, October 8, 2015、Kull-na Shuraka’, October 8, 2015、October 9, 2015、al-Mada Press, October 8, 2015、Naharnet, October 8, 2015、NNA, October 8, 2015、Reuters, October 8, 2015、SANA, October 8, 2015、UPI, October 8, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍の爆撃と並行して、シリア軍がアレッポ県、ヒムス県でのダーイシュ(イスラーム国)への攻撃を続ける(2015年10月8日)

アレッポ県では、SANA(10月8日付)によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍がアレッポ市東部の航空士官学校一帯、クワイリス航空基地一帯、アレッポ市サイフ・ダウラ地区などでダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、アルバイド村、シャルバア村東部、ザアラーヤー村、バクジーヤ村、フワイジーナ村、タッル・イスタブル村、ナアーム丘一帯、カスィール・ワルド村のダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

なお、地元住民らによると、ロシア軍、シリア軍の攻勢を受け、ダーイシュの主要拠点の一つバーブ市から、ダーイシュ戦闘員約40人が逃亡したという。

一方、ARA News(10月8日付)によると、フライターン市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、約20人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(10月8日付)によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍が、ハフル村南部、ハドス村、カルヤタイン市西部、ウンム・サフリージュ村一帯、シャーイル・ガス採掘所一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(10月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がタッル・アブヤ市郊外のシャルカラーク村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員17人を殲滅した。

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米中央軍(CENTCOM)は、10月8日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して15回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回におよび、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, October 8, 2015、AP, October 8, 2015、ARA News, October 8, 2015、Champress, October 8, 2015、al-Hayat, October 9, 2015、Iraqi News, October 8, 2015、Kull-na Shuraka’, October 8, 2015、al-Mada Press, October 8, 2015、Naharnet, October 8, 2015、NNA, October 8, 2015、Reuters, October 8, 2015、SANA, October 8, 2015、UPI, October 8, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍がヒムス県、ラッカ県、ハマー県、ラタキア県のテロ組織拠点への爆撃を実施し、ヌスラ戦線戦闘員100人以上を殲滅(2015年10月8日)

RT(10月8日付)などによると、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、過去24時間で、ヒムス県、ラッカ県、ハマー県、ラタキア県のテロ組織の拠点27カ所に対して22回の空爆を行ったと発表した。

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コナシェンコフ報道官によると、ヒムス県において、ロシア軍は、反体制武装集団の拠点8カ所を破壊した。

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コナシェンコフ報道官によると、ロシア軍は、ハマー県、ラッカ県でも拠点11カ所を空爆し、反体制武装集団の教練キャンプのインフラを破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月8日付)などによると、ロシア軍は、タルティヤーフ村、ドゥーリーン村、マギーリーヤ村、サルマー町、サフサーファ村近郊、アラーフィート村近郊、スィンディヤーン村、ドゥワイリカ村、ワーディー・ハズィーラーン一帯に対して行われ、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員100人以上を殲滅、車輌数十両、ロケット砲発射台、武器弾薬庫、教練キャンプ、避難壕を破壊したという。

一方、コナシェンコフ報道官によると、ロシア軍はSu-25による偵察活動でダーイシュの基地を発見、これを破壊したという。

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また、SANA(10月8日付)によると、シリア軍の支援を受けたロシア軍戦闘機、アレッポ県のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行った。

空爆は、アナダーン市、アターリブ市、ダイル・ハーフィル市、マンスーラ村西部、バーブ市一帯に対して行われたという。

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一方、イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月8日付)が、ロシア軍戦闘機1機がハーン・シャイフーン市の民家を空爆し、女性1人が死亡、住民10人が負傷した、と伝えた。

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https://youtu.be/gn_cGubYp0M

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シリア軍参謀長が「テロ集団根絶」と「テロに蹂躙された地域の解放」に向けた大規模攻撃を開始したと発表(2015年10月8日)

アリー・アブドゥッラー参謀長は、ダマスカスで異例の記者会見を開き、シリア軍が「テロ集団根絶」と「テロに蹂躙された地域の解放」に向けた大規模攻撃を開始したと発表した(http://www.sana.sy/?p=280623)。

アブドゥッラー参謀長は会見で「ダーイシュおよびそのほかのテロ集団の戦闘能力を減じたロシア軍の空爆を受け、シリア軍武装部隊は軍事的な主導権を維持し、第4突撃軍団を中心とする、武器・装備を増強した兵員部隊を結成した…。本日、シリア軍武装部隊は、テロ集団殲滅、テロおよびその災いと犯罪によって蹂躙された地域や町々の解放を目的とする大規模な攻撃を開始した」と述べた。
sana-ayoup

 

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ダーイシュ(イスラーム国)は、羊を生贄として捧げることで知られるイード・アドハーにキリスト教徒住民3人を処刑(2015年10月8日)

クッルナー・シュラカー(10月8日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)が、ハサカ県タッル・シャーミーラーン村一帯で2015年2月拉致した住民(アッシリア教徒)約180人のうちの3人を処刑し、その映像をインターネットで公開したと伝えた。

処刑されたのは、アブドゥルマスィーフ・ヌーヤー氏、アーシュール・イブラーヒーム氏(いずれもタッル・ジャズィーラ村出身)、バッシャーム・ミーシャーイール氏(タッル・シャミーラーン村出身)の3人。

アッシリア人権ネットワークによると、3人は、イード・アドハーの朝に斬首され、その後、最近になって処刑の映像を公開したという。

Kull-na Shuraka', October 8, 2015
Kull-na Shuraka’, October 8, 2015

 

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シリア国民連合はフランスがシリア国内での飛行禁止空域の設定に「同意したようだ」と発表(2015年10月8日)

トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、駐トルコ・フランス大使との会談において、シリア北部の飛行禁止空域設定を要請し、「フランスはシリア国内での安全保障地域設定に関して同意したようだ」と発表した。

AFP, October 8, 2015、AP, October 8, 2015、ARA News, October 8, 2015、Champress, October 8, 2015、al-Hayat, October 9, 2015、Iraqi News, October 8, 2015、Kull-na Shuraka’, October 8, 2015、al-Mada Press, October 8, 2015、Naharnet, October 8, 2015、NNA, October 8, 2015、Reuters, October 8, 2015、SANA, October 8, 2015、UPI, October 8, 2015などをもとに作成。

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9カ国が「穏健な反体制派」の教練プログラムから撤収、米軍の軍事教練を受けた第30師団の失敗はトルコが原因(2015年10月8日)

「穏健な反体制派」の第30師団(別名、「新シリア軍」)の司令官(匿名)はクッルナー・シュラカー(10月8日付)に対して、「穏健な反体制派」の教練プログラムを支援してきた国のうち9カ国が政策を変更し、プログラム支援から撤退したことを明らかにした。

第30師団は、トルコ領内で米軍から軍事教練を受けていた武装集団で、これまでに2つの部隊がシリア領内に侵入したが、1度目はアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の攻撃を受け、事実上壊滅、2度目は隊の移動の安全を確保するために武器・弾薬の25%をヌスラ戦線に譲渡している。

9カ国の教練プログラムからの撤退に関して、この司令官は、第30師団の2次隊がヌスラ戦線に武器・弾薬を譲渡したことが背景にあると述べている。

また、第30師団の活動の失敗に関して、米国の支援を受けた「穏健な反体制派」がアレッポ県北部の「安全地帯」の実効支配者となることをトルコが嫌ったためだと説明、第30師団のシリア国内への進入が極秘事項だったにもかかわらず、トルコ側がこれをヌスラ戦線に漏らしたことで、ヌスラ戦線が第30師団を襲撃できたと述べた。

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エジプトのスィースィー大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談(2015年10月8日)

エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談し、シリア危機など中東情勢について意見を交わした。

エジプトのテレビなどが伝えたところによると、スィースィー大統領は電話会談で、中東地域の危機を政治的に解決し、治安と安定を強化することが重要だと伝えた、という。

AFP, October 8, 2015、AP, October 8, 2015、ARA News, October 8, 2015、Champress, October 8, 2015、al-Hayat, October 9, 2015、Iraqi News, October 8, 2015、Kull-na Shuraka’, October 8, 2015、al-Mada Press, October 8, 2015、Naharnet, October 8, 2015、NNA, October 8, 2015、Reuters, October 8, 2015、SANA, October 8, 2015、UPI, October 8, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍のシリア爆撃により、米国主導の有志連合はシリア領内での航路変更を余儀なくされる(2015年10月8日)

米国防総省のジェフ・デイヴィス報道官は、米国が主導する有志連合の戦闘機が、ロシア軍戦闘機への接近を回避するために、シリア領内での航路変更を余儀なくされたことを明らかにした。

ペンタゴン高官によると、米空軍のF-16戦闘機2機が、シリア国内での空爆の任務に、ロシア軍戦闘機への接近を避けるため、航路を変更したという。

『ハヤート』(10月9日付)などが伝えた。

一方、ジョン・カービー米国務省報道官は、ロシア軍によるシリア空爆に関して「空爆の90%はダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダとつながりのある組織ではなく、反体制組織に対して行われている」と述べた。

カービー報道官はまた「(ロシア軍の)シリア国内での軍事行動が…ダーイシュにも、アル=カーイダとつながりのある組織にも属していない集団に影響することを…より懸念している」と付言した。

一方、ジョン・ケリー米国務長官が数日前に大統領府にシリア北部での飛行禁止空域設置に関する計画を提起したとのCNNの報道に関して、カービー報道官は、「この問題は検討中である」としながらも否定した。

他方、ジョシュ・アーネスト米ホワイトハウス報道官も、飛行禁止空域設定計画に関して、「現時点でこの問題は検討されていない」と述べた。

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