ロシアのプーチン大統領はYPGにシリア軍、ロシア軍との共闘を呼びかける:米国務省はシリア軍とYPGの共闘を拒否(2015年10月22日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ソチ市で開かれた戦争と平和に関する会議で、シリア情勢に言及、そのなかで21日のアサド大統領のモスクワ電撃訪問に関して「アサド大統領は、反体制武装勢力の一部が、対話とダーイシュ(イスラーム国)との戦いに真に専念するのであれば、彼らと対話する用意があると伝えてきた」と述べた。

プーチン大統領はまた、「ダマスカスで平和的なかたちでシリア危機を解決するために行動する。ロシア軍のシリアでのテロに対する空爆は、政治的な解決策を作り出すのに貢献するだろう。シリアのクルド人部隊は、シリアでのダーイシュとの戦いにおいてシリア軍とともに活動し、強調しなければならない」と述べ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊にロシア軍およびシリア軍との共闘を呼びかけた。
ARA News(10月23日付)が伝えた。

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これに対し、米国務省のマーク・トナー報道官は、「これまでに何度も述べてきた通り、シリア政府を信頼することはできない。シリア政府はダーイシュ(イスラーム国)と戦ういかなる同盟にも参加できない」と述べた。

AFP, October 23, 2015、AP, October 23, 2015、ARA News, October 23, 2015、Champress, October 23, 2015、al-Hayat, October 24, 2015、Iraqi News, October 23, 2015、Kull-na Shuraka’, October 23, 2015、al-Mada Press, October 23, 2015、Naharnet, October 23, 2015、NNA, October 23, 2015、Reuters, October 23, 2015、SANA, October 23, 2015、UPI, October 23, 2015などをもとに作成。

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有志連合はシリア領内で1回の爆撃を実施(2015年10月22日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月22日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は1回、マーリア村近郊のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, October 23, 2015などをもとに作成。

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有志連合がハサカ県シャッダーディー市のダーイシュ拠点を爆撃(2015年10月22日)

ハサカ県では、ARA News(10月22日付)によると、有志連合がシャッダーディー市のダーイシュ(イスラーム国)拠点複数カ所を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(10月23日付)が、サラーイッディーンを名乗る地元メディア活動家の情報として、ダーイシュ(イスラーム国)がブーカマール市内にある複数のモスク、廟を「シャリーアからの逸脱、違反」だとして破壊したと伝えた。

破壊されたのは、ウマル・ブン・ハッターブ・モスクなど。

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アレッポ県では、シリア・アラブ軍報道官によると、シリア軍がジャービリーヤ村、バクジーヤ村、サブイーン丘一帯を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、サブイーン村、シャイフ・アフマド村一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続いた。

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ハマー県では、シリア・アラブ軍報道官によると、サラミーヤ市近郊の農場でダーイシュ(イスラーム国)の車列をシリア軍が攻撃した。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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シリア軍が、ダマスカス郊外県東グータ地方、ヒムス県北部、ラタキア県北部、アレッポ市南部で反体制武装集団への攻勢を続け、支配地域を拡大(2015年10月22日)

ダマスカス郊外県では、シリア・アラブ軍報道官によると、シリア軍部隊がダマスカス郊外県東グータ地方のハラスター市マジュバル地区、ヌーラ村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍とジハード主義武装集団がダーヒヤト・アサド町一帯で交戦するなか、シリア軍がドゥーマー市一帯の山岳地帯を空爆した。

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ヒムス県では、シリア・アラブ軍報道官によると、シリア軍がティールマアッラ村南部一帯を制圧した。

なお、『ハヤート』(10月23日付)によると、シリア軍はティールマアッラ村の精神病院一帯を制圧したという。

シリア・アラブ軍報道官によると、シリア軍はまた、ウンム・シャルシューム村、アブー・サナースィル丘、タドムル市郊外柑橘農園一帯で、反体制武装集団の武器弾薬庫、車輌を破壊、戦闘員を殺傷した。

一方、マサール・プレス(10月22日付)によると、シリア軍がティール・マアッラ村、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、ウンム・シャルシューフ村、タルビーサ市西部農場地帯を「樽爆弾」で空爆した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はこのほかにもスナイスィル村、ジャワーリク村に対しても「樽爆弾」を投下した。

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ラタキア県では、シリア・アラブ軍報道官によると、シリア軍がジュッブ・アフマル村、サルマー町一帯での支配地域を拡大した。

これに関して、『ハヤート』(10月23日付)は、政権寄りの複数のサイトが、サルマー町を見下ろす戦略的要衝のカトフ・ガドル丘をシリア軍が制圧したと発表した、と伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルダブラ村、ジュッブ・アフマル村、タルティヤーフ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(10月23日付)は、政権寄りの複数のサイトの情報として、シリア軍がカフルシャムス町に突入したと伝えた。

カフルシャムス町に突入したシリア軍は反体制武装集団の抵抗を受けず市内に進入したという。

クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、シリア軍はシャイフ・マスキーン町以外にもダルアー市マンシヤ地区への攻勢を強めた。

一方、シリア・アラブ軍報道官によると、バルド村方面からワーディー・ズカークに潜入しようとした武装集団をシリア軍が撃退した。

他方、シリア人権監視団によると、アトマーン村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ハマー県では、SANA(10月22日付)によると、マンスーラ村一帯、ファルク丘、ハムラー村でシリア軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、装備、車輌を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町を「樽爆弾」で空爆、またムーリク市郊外のアッブード検問所での戦闘でシリア軍兵士2人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(10月22日付)が軍消息筋の情報として伝えたところによると、シリア軍が人民防衛諸組織とともに、アレッポ市南部のカフルウバイド村、バッラース村およびその一帯、カウワース山、ジャウラト・ジャッハーシュ村で反体制武装集団を掃討、同地を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、バッラース村一帯で、シリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)、アジア系・イラン人戦闘員がジハード主義武装集団と交戦し、「シャームの土地のコーカサス首長国」の司令官1人が死亡した。

「シャームの土地のコーカサス首長国」は9月末に、ヌスラ戦線に忠誠を誓うムハージリーン・ワ・アンサール軍からの離反を宣言していた外国人武装集団。

他方、シャーム戦線は、アレッポ市南部での戦闘でアイユービーヤ村を奪還したと発表した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマスハラ村一帯を「樽爆弾」などで空爆した。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Masar Press Agency, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍は53回の出撃でシリア国内のテロ関連施設72カ所を破壊(2015年10月22日)

Kull-na Shuraka', October 24, 2015
Kull-na Shuraka’, October 24, 2015

ロシア国防省は、ロシア軍が過去24時間で53回の出撃を行い、ハマー県、イドリブ県、ラタキア県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダイル・ザウル県で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の72の施設を破壊したと発表した。

また、ロシア外務省は、ロシア空軍のシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)などテロ組織に対して、9月30日の作戦開始以降の出撃回数が934回に達し、819のテロ関連施設を破壊したと発表した。

このほか、ラタキア県のフマイミーム航空基地に駐留するロシア軍は、記者団に基地内の一部を公開した。

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ハマー県では、『ハヤート』(10月23日付)によると、ロシア軍戦闘機が、北部のガーブ平原一帯を10回にわたり空爆し、シャームの民のヌスラ戦線のトルコ人戦闘員1人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がサルマー町郊外の山岳地帯を30回にわたって空爆した。

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ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月23日付)によると、ロシア軍がラッカ市中心部のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、少なくとも8人が死亡、40人以上が負傷した。

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ハサカ市でアサド大統領のモスクワ電撃訪問を支持するデモ(2015年10月22日)

ハサカ県では、ARA News(10月23日付)によると、ハサカ市内で、アサド大統領のモスクワ電撃訪問への支持を表明するデモが行われ、政府支持者らが参加した。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、October 23, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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赤十字国際委員会「ロシアの爆撃で一部地域への支援が困難となり、避難民も発生している」(2015年10月22日)

赤十字国際委員会(ICRC)中東北アフリカ事業局長であるロバート・マルディニ氏は、AFP(10月22日付)に対し、ロシア軍のシリア領内での空爆に関して、「空爆によって、我々が一部地域に入ることがより困難になっている」と述べた。

「どの紛争でも、多くの武器が使用されれば、人道状況はより深刻な状態になる」としたうえで、ロシア軍による空爆開始以降、ハマー県、ヒムス県で住民が避難しているとの報告があがっていることを明らかにした。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務大臣の夢想「最善のシナリオは、朝目覚めたら、アサドがシリアにいないというものだ」(2015年10月22日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、22日で行われる予定の米・ロシア・サウジアラビア・トルコの外相会談に参加するため、オーストリアのウィーンに入った。

ジュバイル外務大臣は、ロシアのシリアへの軍事介入に関して、同地で記者団に対して「非常に危険だ、なぜなら紛争を激化させるからだ…。この点はロシアに明確に伝えている」と述べた。

また、移行期においてアサド大統領の残留が認められるべきかとの問いに関して、「アサドの役割はシリアから出て行くことだ…。最善のシナリオは、朝目覚めたら、アサドがシリアにいないというものだ」と答えた。

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一方、ロイター通信(10月22日付)は、ウィーンでの外相会談に出席するジョン・ケリー米国務長官が「シリアでの危機解決への道に立ちはだかっている唯一の問題はアサドだ」と述べたと伝えた。

しかし、欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、「我々はシリアでの政治的移行のために活動しており、アサド大統領はその最初の段階の一部となる」と述べた。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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ロシアのラブロフ外務大臣「シリアの危機解決には、イラン、エジプト、カタール、UAE、ヨルダンの参加も不可欠」(2015年10月22日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、22日にオーストリアのウィーンで開催される米、サウジアラビア、トルコの外務大臣との会談に関連して、「イラン、エジプト、カタール、UAE、ヨルダンの参加が、シリアでの危機を解決するのに必要だ」と述べた。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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ロシア大統領府報道官「ロシア軍の作戦はテロに対するもので、スンナ派を狙ったものではなく、アサド政権を支援するためのものでもない」(2015年10月22日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア軍によるシリア領内での軍事作戦に関して「テロに対するもので、スンナ派を狙っておらず、またアサド大統領を支援するためのものでもない」と述べた。

また「多様性を有するシリア国民、そして主要な外国の当事者が参加したかたちでの政治的プロセス」が紛争解決には不可欠だと付言するとともに、「ロシアはロシア、サウジアラビア、トルコ、エジプト、ヨルダン、イラク、米国、EUからなる「テロとの戦い」のための同盟を希望している」と強調、そのために関係当事者と協力する用意があると述べた。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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